経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

ガソリンは もう上がらない

2017-01-20 08:01:37 | 日記
◇ ヤマを越えた原油の輸入価格 = 資源エネルギー庁の集計によると、1月16日時点でレギュラー・ガソリンの店頭価格は、全国平均で1㍑=130円90銭だった。前週より40銭の値上がりで、昨年11月末以来6週連続の上昇となっている。灯油の店頭価格は77円70銭で、こちらは13週連続の値上がり。だがガソリンや灯油の値上がりは、まもなく止まる見通しになってきた。

ガソリンの店頭価格は、昨年11月28日の125円60銭を底に上昇し始めた。ここからの6週間で4円30銭値上がりしたことになる。だが1月16日までの1週間では、上げ幅が40銭にまで縮小している。また16日時点での調査では、9つの県で値下がりしたという結果も出ている。これは正月の連休が終わったこともあるが、原油の輸入価格が値下がりに転じたことを反映し始めたためと考えられる。

原油の輸入価格は昨年11月ごろから上昇した。これはOPEC(石油輸出国機構)が減産で合意し、原油の国際価格が1バレル=40ドル付近から53ドル台にまで跳ね上がったこと。加えて円相場の下落が、輸入価格を押し上げる形となったためだ。しかし最近になって、この2つの要因が明らかに影響力を失ってきた。

原油の国際価格はOPECの減産で一時53ドル台まで上昇したが、最近はそこが天井になっている。主な理由はアメリカのシェール石油が生産を増やしているためだ。また円相場は118円台から114円台に下落した。これはトランプ新大統領の“口先介入”によるところが大きい。この結果、日本の原油輸入価格は下がり始めている。これが小売価格に波及するのに時間がかかるため、店頭価格はもう少し上がるかもしれない。だがピークは明らかに過ぎ去った。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +177.88円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ

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輸出が招く 重大な矛盾 / 中国

2017-01-19 07:53:30 | 日記
◇ 成長維持と貿易摩擦の相反 = 中国税関総署が発表した16年の貿易統計によると、輸出は2兆0974億ドルで前年より7.7%減少した。一方、輸入は1兆5874億ドルで5.5%の減少だった。この結果、貿易収支は5099億ドルの黒字。前年より14%も縮小した。輸出はアメリカ、EU、日本向けがすべて減少している。

人民元の平均レートは、前年より6.6%下落している。にもかかわらず、輸出は減少した。その主たる理由は、地価と人件費の高騰。つまり加工貿易を中軸としている中国の製造コストが上昇、競争力が低下した結果だとみられている。これは中国にとっては、由々しき一大事だ。今週20日に発表される予定の16年のGDP速報に、どう反映されるのだろうか。

最大の輸出相手国は、いぜんとしてアメリカである。アメリカ向けの輸出も5.9%減少したが、それでも収支は2507億ドルの黒字。全体の黒字の約半分をアメリカとの取り引きで生み出している。こうした状況下でGDP成長率の低下を阻止するために、たとえば元レートをさらに切り下げるような政策をとれば、アメリカのトランプ新政権との間で強烈な貿易摩擦が発生することは避けられそうにない。

事前の民間予測によると、16年のGDP成長率は6.7%となる見込み。輸出の減退を政府の財政支出増で補ったことで、成長率をなんとか維持した形になりそうだという。だが、これ以上の財政出動は、不動産バブルを助長する結果になりかねない。と言って輸出に頼ると、アメリカの報復が待ち構えている。中国経済は厳しい難所にさしかかった。

      ≪18日の日経平均 = 上げ +80.84円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ
        
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どんな日本を 見せたいのか

2017-01-18 08:37:12 | 日記
◇ 2400万人を超えた外国人観光客 = 政府観光局が17日発表した16年の訪日外国人観光客は、前年比21.8%増の2403万9000人だった。寄港するクルーズ船の増加や航空路線の拡充、それにビザ発給条件の緩和や消費税免税制度の拡大などが、外国人客を増やした原因だと思われる。11年の622万人から毎年増加しており、政府が目標としている「20年までに4000万人」も夢ではなくなってきた。

国別ではロシアを除いて19の地域が、過去最高を記録している。第1位はやはり中国で、638万人と初めて600万人を超えた。第2位の韓国も初めて500万人、台湾も400万人を超えている。このように東アジアからの旅行客が圧倒的に多いが、アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアからの訪日客も堅調で、合計300万人に迫っている。

計算上はことしからの4年間に訪日客を毎年14%ずつ伸ばせれば、政府の「20年までに4000万人」という目標は達成できる。国土交通省も観光地の景観を改善するために、35億円の予算を獲得した。3月中には全国10か所のモデル都市を選定する方針だ。東京都も電柱の地下埋設などを進め、日本のイメージ・アップに努力する。

それにしても、なぜ外国人の旅行客が増え続けているのだろう。これまでのアンケート調査などによると、富士山や神社・仏閣など日本的な自然や歴史遺産。祭りや料理などの文化遺産。それに日本独特の“おもてなし”が、外国人を日本に惹きつけているように思われる。そんな静かで美しいイメージと、カジノの存在は調和するのだろうか。

      ≪17日の日経平均 = 下げ ー281.71円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ

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就任式では紳士になる? なれない?

2017-01-17 08:11:51 | 日記
◇ 真の人間性が試される = 「世界の長い歴史のなかで、自由が最大の危機にさらされている」「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えよう」--有名なケネディ大統領の就任演説である。アメリカの歴代大統領はみな、就任演説で自分の世界観を吐露し、国民を奮い立たせる呼びかけを行ってきた。20日の就任式で、トランプ新大統領はどんな演説をするのだろうか。

これまでの言動からみて、トランプ大統領が「アメリカ第一」と「雇用の増大」を強調することは間違いない。すると、どうしても「生産拠点を海外に移した企業に対する国境税」には触れざるをえないだろう。ただ、その先に「NAFTA(北米自由貿易協定)やTPP(環太平洋経済連携協定)への反対」まで踏み込むかどうか。さらに経済問題では「巨額のインフラ投資や減税」に対する姿勢を明確に打ち出すかどうか。

先週の記者会見では、こうした景気対策には全く言及しなかった。ロシアのサイバー攻撃や自身の利益相反問題などをめぐって記者団と紛糾し、経済問題を説明する時間がなくなったのか。それとも意図的に持ち出さなかったのか。理由は判然としない。いずれにしても、経済界や市場には失望感が広がってしまった。

就任式ではトランプ氏も原稿を読み上げ、記者の質問もない。ここでトランプ氏が崇高な理念を掲げ、国民に「融和と団結」を訴える可能性は十分にあるだろう。経済対策についても、きちんと説明するのかもしれない。最初は乱暴な条件を出して相手側を驚かせ、あとで態度を豹変して契約を取り付ける。そんなビジネスマンとしてのトランプ戦法が発揮されるのか。期待が大きすぎるのかもしれないが、その結果はあと3日後に判明する。

      ≪16日の日経平均 = 下げ -192.04円≫

      ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ

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今週のポイント

2017-01-16 08:03:48 | 日記
◇ トランプ記者会見への失望 = 今週は20日に、トランプ新大統領の就任式が行われる。アメリカ第45代目の大統領が、どんな就任演説をするのか。世界中がハラハラしながら、固唾を呑んで見守っているところだ。その内容しだいでは、世界の株価や為替相場が大きく変動する可能性もある。それどころか、世界の政治的・軍事的緊張が高まる恐れもないではない。

先週11日に行われたトランプ氏の記者会見に、市場は失望したようにみえる。ロシアによるサイバー攻撃やトランプ氏の利益相反問題に多くの時間が割かれ、経済政策についての言及が全くなかったためだ。このためニューヨークの株価は会見当日には上げたものの、翌日からは軟調となった。ダウ平均は先週78ドルの値下がり。

為替市場も影響を受けて、ドルが売られた。特にトランプ氏が貿易不均衡の相手国として日本の名を挙げたことから、円の対ドル相場は2円以上も上昇した。これで東京市場の株価も下落、日経平均は先週167円の値下がりとなった。本来ならば、間もなく始まる12月期の企業決算への期待が高まる時期。しかしトランプ氏の就任演説を前にしては、重い空気から抜け出せない。

今週は16日に、12月の企業物価と11月の機械受注、第3次産業活動指数。17日に、12月と16年の訪日外国人客数。アメリカでは18日に、12月の消費者物価と工業生産、1月のNAHB住宅市場指数。19日に、12月の住宅着工戸数。また中国が20日に、10-12月期のGDP速報、12月の鉱工業生産、小売り売上高、固定資産投資額を発表する。なお20日はアメリカ大統領就任式。

      ≪16日の日経平均は? 予想 = 上げ

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