経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

たったの252人! 訪日観光客

2022-07-22 07:31:43 | 外国人
◇ 観光局は数字を公表せず = 観光局は20日、6月の訪日外国人客数を発表した。それによると、6月中に来日した外国人客数は12万0400人で、コロナ前の19年6月に比べると95.8%も減少している。1-6月間でみると、訪日客は50万7600人。19年6月比では96.9%の減少だった。政府は3月に観光目的以外の外国人を条件付きで受け入れ開始、また6月10日からはパッケージ・ツアー観光客の入国を解禁したが、効果はまだ表われていないようだ。

ところが、この発表にはおかしな点がある。1-6月間の訪日客を国別にみると、ベトナムからの入国が10万4800人で第1位。次いでインドネシアが3万3900人、アメリカが2万8600人などとなっている。ここからみると、ビジネス目的の来日者よりも、実習生や留学生の方がずっと多かったのではないか。それなら‟訪日客数”とくくるのは変で、単に‟訪日外国人数”とすべきだろう。

もっと不可解なのは、観光局が「観光を目的とした訪日客」の数字を公表しなくなったこと。発表文書のどこを探しても、その数字は見当たらない。しかし読売新聞の記事には、「6月の観光客は252人にとどまった」と書いてある。おそらくは担当記者が独自に取材した数字なのだろう。観光局はあまりにも少数だったので、発表しなかったのだろうか。

いま旅行・宿泊・小売り関係者の間では、外国人観光客の再来を心待ちしている人も少なくない。そういう関係者はインバウンド景気をどのくらい期待できるのか。そのために、どの程度まで準備をしたらいいのか。大いに迷っている。観光局はそういう人たちに、正しいデータを提供することが仕事のはず。悪いことは隠したがる役人根性は、止めてもらいたい。

        ≪21日の日経平均 = 上げ +122.74円≫

        ≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

過剰な期待は 禁物 : 外国人観光客

2022-06-10 07:11:21 | 外国人
◇ コロナ前には戻らない = 外国人観光客の受け入れがきょう10日、2年2か月ぶりに再開された。受け入れの対象となるのは、アメリカや中国など98の国・地域。ワクチン接種の有無にかかわらず、入国時の検査や待機が免除される。ただし入国できるのは、コロナの無秩序な感染を防ぐため旅行会社が主催する団体旅行だけ。個人旅行は認められない。

政府は同時に、1日あたり入国者の上限を1万人から2万人に拡大した。このなかにはビジネス目的の来日、留学生や技能実習生、さらには帰国する日本人も含まれる。したがって観光客がどのくらい入国してくるかは、ビザの発給をどう配分するかしだい。ビジネス客や留学生を重視すれば、観光客は少なくなる。

コロナ前の19年、日本を訪れた外国人観光客は3200万人にのぼった。全国の観光地が外国人で埋まり、いわゆる‟インバウンド景気”に沸いた。いま多くの宿泊・飲食・小売り・交通関係者はその当時の活況を思い出し、期待に胸を弾ませている。だが1日平均1万5000人としても、年間の訪日客は500万人ほど。当時の2割にも及ばない。もちろん上限の引き上げはあるだろうが、それでもコロナ前への道のりは遠い。

経済環境の面からみると、いまの円安は外国人観光客にとって大きま魅力。アメリカ人やヨーロッパ人は、円安が続いているうちに日本へ行きたいと思うに違いない。ところが最大のお客さんである中国人の様子は、ちょっと違う。まず日本円が中国元に対して安くなっていない。また中国政府は景気浮揚のため国内での消費を増加させたいから、国民の海外旅行には消極的だ。こうしたことも頭に入れて、過大な期待はしない方が賢明だろう。

        ≪9日の日経平均 = 上げ +12.24円≫

        ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

上客は入国できない? : 外国人観光客の解禁

2022-05-11 07:42:28 | 外国人
◇ 中国人と韓国人の来日は期待薄 = 外国人観光客の受け入れが、再開されそうだ。新聞各紙の報道によると、政府は6月から外国人観光客の入国を認める方向で検討中だという。コロナの感染状況が落ち着いてきたため、政府は3月からビジネス目的の外国人には入国を認めてきた。これを6月からは観光客についても、段階的に解禁する。もちろん観光業や小売り業からは、大歓迎の声が挙がっている。

日本にやってきた外国人観光客は、コロナ前の19年には3188万人に達した。これがコロナのために急減、21年にはわずか24万人に縮小している。消費金額も4兆8135億円から、ほとんどゼロに落ち込んだ。いわゆるインバウンド景気が消滅したわけである。その再開は日本経済にとっても好ましく、政府が参院選を前に解禁することは十分にありうることだろう。

ただ大きな問題がある。19年の実績では中国からの観光客が959万人で最大。次いで韓国、台湾、香港の順だった。ところが、こうした国・地域からの観光客は入国が難しくなりそう。というのも、これらの国・地域ではコロナの感染が下火になっていないからだ。日経新聞によると、政府はファイザーもしくはモデルナのワクチンを3回接種し、検査で陰性だった人に限って入国を認めるという。

中国では、ほとんどの人が中国製のワクチンを射っている。だから来日できる人は、まずいない。台湾などについても、適格者はかなり制限されるだろう。つまり過去の実績からみた上客ほど、来日が難しい。したがってインバウンド景気の急回復は、あまり期待できないのではないか。それでもナイよりはマシと考えるべきなのか。

        ≪10日の日経平均 = 下げ -152.24円≫

        ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

訪日客は戻らない : 規制緩和でも

2021-10-29 07:28:36 | 外国人
◇ ことしの損失額は20兆円にも = コロナの感染力が急激に衰え、緊急事態宣言などの行動規制がすべて解除された。このため飲食店や商業施設への来客も、確実に増えている。しかし、ひところはインバウンドともてはやされた外国人観光客が戻って来る気配は全くない。ことしの訪日客数は30万人程度、コロナ前19年の1%にとどまるものとみられている。

コロナ前19年の外国人観光客数は3180万人。それがコロナの影響で、20年は410万人に減少した。さらに21年は1-9月間で、19万0900人にまで落ちている。観光目的での来日は原則的に禁止、ビジネス目的の訪日も接種証明があっても10日以上の待機を求められるなど、厳しく制限されているためだ。この結果、ことしの経済的損失は20兆円にものぼると推計されている。

海外ではワクチン接種の証明を条件に、観光目的の入国を認め始めた国も多い。だが日本政府はコロナの再拡大を警戒して、規制を緩和しようとはしない。観光業界は総選挙を前に「新たな観光戦略の策定と入国規制の緩和」を各政党に働きかけたが、大きな争点にはならなかった。

たしかに外国人観光客が、コロナ第6波の引き金になっては大変だ。しかし注意深く緩和の方向へ動き出すことも、そろそろ必要だろう。ワクチン証明や入国時の検査はもちろん必要だが、待機をしてまで観光する人はいない。あとはGPSで行動を把握するとか、入国する人数を制限するとか、専門家が集まって議論したらどうだろう。

       ≪28日の日経平均 = 下げ -278.15円≫

       ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

消滅する 訪日外国人旅行者

2020-04-23 08:34:51 | 外国人
◇ 4-6月はほぼゼロになる公算 = 観光局の集計によると、3月中に日本を訪れた外国人観光客は19万3700人だった。昨年3月に比べると、93.0%も減っている。東日本大震災があった11年4月には62.5%減少したが、今回はそれを上回った。言うまでもなく新型コロナの影響で、3月上旬に中国人と韓国人の入国を規制したことが大きく響いた。その他の国からの観光客も、軒並み減少している。

国別にみると、アメリカからの観光客が最も多く、2万3000人。だが前年比では87.0%も減少した。次いでベトナムが56.0%減少の2万0800人。韓国が97.1%減少の1万6700人など。中国は1万0400人で、98.5%の減少だった。観光局によると、このなかには在留資格を持った外国人が日本に帰国したケースも含まれているという。

当然ながら、外国人旅行客による消費額もガタ落ちしている。観光庁の発表によると、1-3月中の消費額は6727億円。前年同期に比べて41.6%の減少だった。しかも4-6月は、これがほぼゼロになる公算が大きい。というのも日本政府が4月1日から、世界の主要73か国からの入国を拒否したためである。

したがって4-6月は、外国人旅行客はゼロに近づく。消費額もほぼゼロとなるだろう。昨年4-6月の消費額は1兆2673億円だった。それがことしはパアになる。そのうえ7月以降の状況も不確かだ。外国人旅行客を相手にしてきた宿泊業・小売業の窮状は、察するに余りある。政府や自治体が、支援し切れるのだろうか。

       ≪22日の日経平均 = 下げ -142.83円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>