経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

世界ベスト10に入れず : 外国人客数

2018-06-09 07:29:11 | 外国人
◇ 健闘している日本だが = 国土交通省の発表によると、17年に日本を訪れた外国人観光客は2869万人だった。前年に比べて19.3%の増加、この5年間で3.4倍に増えている。UNWTO(国連世界観光機関)の調査では、17年の世界の国際観光客数は13億2000人。前年比は6.7%の増加だったから、日本の伸び率は際立って高い。

ただ世界を見渡すと、日本の成績はまだまだ低い。たとえば16年の実績をみると、第1位のフランスは8260万人。2位はアメリカの7747万人、3位はスペインの7556万人となっている。日本は16位だった。仮に17年の成績をそのまま16年の順位表に入れ込んでも、ようやく11番目。まだ世界のベスト・テンには入れない。

観光収入という面からみると、16年はアメリカが2059億ドルで断トツに多い。2位のスペインは603億ドル、3位はタイで499億ドル。日本は307億ドルで11位だった。アメリカは滞在日数が長く、宿泊費や交通費が高いためだろう。そうしたなかでタイが第3位に食い込んでいるのは、ご立派と言うしかない。

17年の場合、日本を訪れた観光客の消費額は、前年比17.8%増の4兆4000億円だった。一人当たりにすると15万4000円ほどになる。一方、日本人が17年に国内観光のために使った金額は21兆1000億円。したがって外国人の観光支出は、日本人の約5分の1ということになる。

       ≪8日の日経平均 = 下げ -128.76円≫

       【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】   


頼りは 外国人労働者 : 農業・介護・建設

2018-04-20 08:06:01 | 外国人
◇ 恐る恐るの受け入れ改革案 = 総務省が発表した昨年10月1日時点の人口推計によると、日本の総人口は1億2670万人だった。前年より22万7000人減っている。外国人の純流入数が過去最大の14万7000人に達し、人口の減少幅をかなり縮小した。日本に住む外国人の数は205万8000人。そのうちの25万7000人が技能実習生で、主として農業・介護・建設部門で働いている。これらの分野は、いまや外国人なしでは成り立たなくなってしまった。

技能実習生というのは、発展途上国へ技術を移転する目的で作られた在留資格。国別ではベトナムが10万5540人で最も多い。次いで中国、フィリピンが続く。現在の制度では、実習生の在留期間は5年まで。帰国して習得した技術を活用することが期待されているからだ。ところが最近の人手不足で、日本の現場は5年で実習生を手放せなくなっている。

そこで政府も、この制度を改正することになった。その内容は、5年が経過してもさらに在留を5年延長できる。しかも、その時点で試験に合格すればさらに延長でき、家族を呼び寄せることが出来るようにするというもの。要するに制度上は、勉強さえすれば永久に日本で働けるようになる。秋の臨時国会に入国管理法の改正案を提出、来年4月から実施する方針。

ところが問題は5年後に資格を再延長するとき、実習生はいったん帰国しなければならないと定めていること。これは継続的に日本で働くとなると、移民労働者と変わらなくなる。これを避け、あくまで技術移転の目的を貫き通すという意図がここにある。だが実態はすでに移民労働者と何も変わらない。こんな姑息な手段で対応すると、外国人は日本を敬遠するかも。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +32.98円≫

      ≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 


日本は後進国 : 外国人旅行者の誘致

2018-01-18 07:38:33 | 外国人
◇ 「日本はモテモテ」は錯覚 = 観光局が16日発表した17年の訪日外国人客数は2869万0900人だった。前年比19.3%の増加で、新記録を5年連続で更新している。クルーズ船やLCC(格安航空)の便数増、ビザ発給条件の緩和、それに国内各地の受け入れ体制整備が効果を挙げたものと考えられる。この調子が続けば、政府が掲げた「20年に4000万人」の目標も、達成できる公算が大きくなってきた。

国別にみると、第1位は中国の735万6000人。第2位は韓国で714万人。この両国は初めて700万人を突破した。続いては台湾、香港、アメリカの順。アジアからの旅行客が全体の8割を占めているが、滞在日数は比較的少ない。このため消費支出を増やすためには、今後アメリカやヨーロッパ諸国からの来日客を増やすことが重要になってくる。

こうした統計からみる限り、日本の外国人客誘致作戦は順調に進展しているように見受けられる。ただ、ここで陥りそうな大きな錯覚が1つありそうだ。それは「いまの日本は外国人客にモテモテで、評判はきわめてよろしい」と思い込むことである。というのも国際的に比べてみると、観光立国としての日本はまだまだ後進国というのが事実だからだ。

たとえば国連機関が調査した16年の受け入れ観光客数によると、日本は世界で第16位。アジアのなかでも第6位にしかすぎない。世界第1位のフランスは実に年間8260万人を受け入れている。アジアでも中国、トルコ、タイ、マレーシア、香港の方が、日本よりずっと多い。これらの国々もチエをしぼり努力を重ねて、旅行客を取り込んでいる。日本だけが脚光を浴びていると思い込んだら、世界の観光競争に負けてしまうだろう。

      ≪17日の日経平均 = 下げ -83.47円≫

      ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ


ことし 3000万人は確実 : 訪日外国人客

2017-10-20 07:57:20 | 外国人
◇ 10回以上の訪日客も全体の12% = 観光局の集計によると、9月の訪日外国人客数は228万人。前年同月より18.9%増加した。この結果、1-9月間の客数は2119万6000人となり、早くも2000万人を突破した。10月に入っても勢いは衰えておらず、年間で3000万人を超えることは確実だとみられている。1-9月間では中国からの客数が68万人で最も多く、2位の韓国56万人を大きく引き離している。

一方、観光庁の調査によると、1-9月間の訪日客による消費額は3兆3000億円だった。前年同期比で15%増加し、初めて3兆円を超えている。中国からの訪日客は5400億円の消費額、前年を23.5%上回った。次いで台湾、韓国の順。全体でみた1人当たりの消費額は16万5400円。前年比6.6%の増加だった。中国、イギリス、フランス、スペイン、ロシアの1人当たり消費額は20万円を超えている。

観光庁の調査では、興味深い傾向も判明した。1-9月間で初めて来日した人は、全体の40.0%。ところが10回以上も来日した人は12.0%にのぼっている。10回以上も来日した人が多かったのは、香港とシンガポール。ともに全体の22%を上回った。中国人は6.0%にとどまっている。

また来日した旅行者に「最も満足した購入品は?」と聞いたところ、韓国人は「菓子類」という答え。台湾と香港は「服、かばん、靴」だった。さらに中国人は「化粧品、香水」で、アメリカ人は「和服、民芸品」というぐあい。それぞれの好みが全くバラバラなのに、驚くやら感心するやら。外国人向けの小売店には、参考になりそうだ。

      ≪19日の日経平均 = 上げ +85.47円≫

      ≪20日の日経平均株価は? 予想 = 下げ

中国人は中部、韓国人は九州がお好き

2017-06-01 07:54:51 | 外国人
◇ 外国人客は地方に広がる = 観光庁は30日、17年版の観光白書を発表した。16年中に来日した外国人観光客について、いろいろ面白い分析をしている。そのなかから、いくつか拾ってみよう。まず訪日客数は2404万人で、前年比21.8%も増加した。その宿泊延べ数は7088万人泊、前年比8%の増加。ここからは1人当たりの宿泊数が、やや減少したことが判る。

宿泊日数を地域別にみると、3大都市圏は4243万人泊で前年比4.8%の増加。それ以外の地方圏は2845万人泊だが、伸び率は13.2%と高くなっている。外国人は3大都市圏以外の地方に分散し始めているわけだ。全国を10地域に分けてみると、中部地方が3.3%減少したほかは9地域で増加。なかでも四国地方は46.0%も伸びている。

外国人旅行客と宿泊した地域との関係では、中国からの旅行客は50%が中部地方に。韓国は36%が九州地方に、また台湾は38%が東北地方に泊まっている。最も宿泊数を伸ばした四国地方には、各国からのお客がまんべんなく訪れている。これは好みの問題なのか、それとも地方の宣伝効果なのか。白書はそこまでの分析はしていない。

外国人客が使ったおカネの総額は3兆7476億円。前年より2700億円増加している。しかし1人当たりの消費金額は11.5%減少した。これは一時の“爆買い”が沈静し、自然や歴史的遺産に触れる旅行に変化している証拠だろう。この流れが続くと、3大都市圏以外への広がりが加速して行くに違いない。

      ≪31日の日経平均 = 下げ -27.28円≫

      ≪1日の日経平均は? 予想 = 上げ


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