経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

2度の「日本」で2円上昇 : トランプ会見

2017-01-13 08:21:39 | 日記
◇ 経済政策への言及なし = トランプ次期大統領は11日、当選後はじめての記者会見を行った。トランプ氏がまず持ち出したのは、雇用増大のための施策。アメリカ国外に工場を作る企業には「高い国境税をかける」と明言した。この問題では特に製薬業界を名指しで非難したため、ニューヨーク市場では一時、製薬株が急落した。しかしダウ平均はその後、反発して終わっている。

記者の質問が集中したのは、ロシアによるサイバー攻撃の問題。トランプ氏はロシアからの攻撃があったことは認めたが、ロシア以外の国もハッキングをしている。やられる方が悪いので、ロシアを非難するつもりはないと回答。プーチン大統領との親密な関係を維持する姿勢を強調した。またメキシコとの国境に建設するカベは、すぐにでも工事を始めたいと力説している。

サイバー攻撃とそのあとに飛び出した大統領と不動産王の利益相反問題で、トランプ氏は異常に興奮。けんか腰になるという異例な展開に。ここで時間ををとられたため、経済政策に関する質疑応答は全くなかった。ウォール街ではインフラ投資や減税などについての言及を期待していたが、完全に裏切られた形となっている。

約1時間にわたった会見のなかで「日本」という言葉が出たのは2回。最初は「アメリカは中国、日本、メキシコなどとの間で貿易不均衡に陥っている」と述べたくだり。2度目は「ロシア、中国、メキシコ、日本は、アメリカを経済的に利用してきた」と批判。この点に関する質疑もいっさいなかったが、それでも円相場は117円台から115円台に上昇した。市場は明らかに過敏になっている。20日の就任演説では、どんな言葉が使われるのだろうか。

      ≪12日の日経平均 = 下げ -229.97円≫

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「老人」を「年寄り」と 言うが如し

2017-01-12 08:04:24 | 日記
◇ 中身がない学会の提言 = 日本老年学会と日本老年医療学会は先週、高齢者の年齢区分を「現在の65歳以上」から「75歳以上」に引き上げるよう政府に提言した。医療の進歩や健康意識の高まりで、現在の高齢者は10-20年前に比べて5-10歳若返っているというのが、提案の理由だ。また65-74歳を準高齢者、90歳以上を超高齢者と呼ぶのが妥当だという意見も表明している。

65歳以上を高齢者とする考え方は、1956年に国連が出した報告書に由来するらしい。だが日本人の平均寿命は当時に比べると、女性は20歳近く、男性も16歳ほど延びている。だから高齢者の定義も変更すべきという理屈は、十分に理解できる。総務省の推計によると、昨年9月時点で65歳以上は総人口の27%、75歳以上は13%を占めていた。したがって高齢者の定義を「65歳以上」から「75歳以上」に引き上げると、高齢者の人口はほぼ半減することになる。

たしかに最近の高齢者には、元気な人が多い。だが高齢者の定義を変えたり、準高齢者とか超高齢者といった新しい呼び名を作るだけでは、ほとんど意味がない。その結果として定年延長が促進されたり、年金の支給年齢が引き上げられたりしなければ、実体的には何も変わらない。

もちろん定年延長や年金支給年齢の引き上げは、急激には実施できない。それでも今後10年のうちに、段階的に実施するなどの提言はできたはずだ。そのためには高齢者が働きやすい環境をどうやって整備するかなど、そこまで踏み込んだ提言が欲しかった。それと高齢者にも、働かないことを選ぶ自由はある。この点を明記しないと、今後の高齢者対策は誤解を招きかねない。

      ≪11日の日経平均 = 上げ +63.23円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雇用の堅調で 何が起きる / アメリカ

2017-01-11 08:14:56 | 日記
◇ 利上げ⇒ドル高⇒その先は? = アメリカ労働省が発表した12月の雇用統計は、日本経済にも微妙な影響を及ぼしそうだ。発表によると、非農業雇用者の増加数は15万6000人。これで75か月連続の増加となった。15年の270万人に続いて、16年も220万人増加している。とりわけ市場関係者の注目を集めたのが、賃金の増加。平均時給は26ドルで、前年を2.9%上回った。週給は891ドル80セントとなっている。

こうした数字からみる限り、アメリカの景気回復はやや加速している。このため発表があった6日のニューヨーク市場では、ダウ平均株価が一時1万9999ドル63セントにまで上昇。ナスダックも新高値を更新した。その一方、10年もの国債の利回りは2.42%に上昇している。金利が上昇したためドル高が進行、円の対ドル相場は1円以上下落した。

賃金の増加は消費支出の拡大につながり、物価の上昇圧力となる。このためFRBはこの3月にも3回目の利上げに踏み切るという予想が急速に高まった。これが長期金利の上昇を生み、ドル高につながったわけである。だがドル高はアメリカの輸出を抑制してしまう。問題は次期大統領のトランプ氏が、これをどう考えるかである。

仮にトランプ氏が「ドル高はアメリカのために好ましくない」と“口先介入”すれば、ドル高は一時的にストップするだろう。さらに「為替の安い国からの輸入関税を引き上げる」とでも言えば、為替市場は混乱するに違いない。トランプ氏がどう対応するかは、全く予測できない。11日の記者会見、20日の大統領就任演説、月末ごろの一般教書(施政方針)演説と、目の離せないイベントが続く。

      ≪10日の日経平均 = 下げ -152.89円≫

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今週のポイント

2017-01-09 08:09:30 | 日記
◇ 11日のトランプ会見に注目 = 新年の株価は、まず順調にすべり出した。日経平均は先週340円の値上がり。ダウ平均も201ドル上昇した。だが日経平均は、大発会で大きく上げたあとは反落。ダウ平均も上げ一本やりではなかった。ともに好調な企業収益見通しを基盤に買われたが、外部要因から売られやすい。この先週の値動きは、なにやらことしの株価動向を暗示している気がしないでもない。

ダウ平均は2万ドルの大台まで、あと37ドル。日経平均は1万9500円を超えて、昨年来の高値水準にある。このため利益確定売りの圧力が強まっていることは確かだ。基調的な相場観は強いが、そこへ外部から悪材料が伝わると、売り圧力は加速される。先週もトヨタのメキシコ工場新設に対するトランプ次期大統領のけん制発言が東京市場を、原油価格の上下動がニューヨーク市場を揺さぶった。

今週も強気の相場観は続き、ダウ平均が2万ドルに到達する可能性は高い。だが東京市場にとって心配なのは、11日に予告されたトランプ氏の記者会見。これまではツイッターによる一方的な意見表明だったが、記者会見ともなれば様子も変わるだろう。記者の質問に挑発されるかもしれない。どんな発言をするのか、いっさい不明。ニューヨーク市場にとっては好材料だが、東京市場にとっては悪材料になることも十分にありうる。

今週は10日に、12月の消費者態度指数。11日に、11月の景気動向指数。12日に、11月の国際収支と12月の景気ウォッチャー調査。アメリカでは13日に、12月の小売り売上高、生産者物価と1月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が10日に、12月の消費者物価と生産者物価。13日に、12月の貿易統計を発表する。なお日本時間12日の未明に、トランプ記者会見の予定。

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 下げ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

株価は どうなる? : 2017年

2017-01-06 08:02:00 | 日記
◇ 2万円に乗せてからが不透明 = ことしの株式市場は、快晴に恵まれた船出となった。大発会の株価は500円に近い上げ。昨年の500円を超える下げとは、全く対照的な景色を見せている。今後の見通しでも、市場関係者の間では強気の見方が多い。その根拠は円安が続いて、企業業績の急回復が見込めることにある。日経平均の2万円台乗せは確実というムードだ。

証券会社による17年度の業績予想をみると、主要企業の経常利益は12-13%の増益になるとみているところが多い。たとえば大和証券は12.6%、SMBC日興証券は13.0%の増益といったぐあい。ただ、これらの予想は、円相場が110円であることを前提にしている。その一方でUSB証券のように、円相場が102円に上昇し、企業の経常利益は伸び率がゼロになると予想しているところもないではない。ただ、こうした慎重論は少数派のようだ。

テクニカル面から、株価の上昇を予想する声も強い。日経平均の26週移動平均が12月中旬に、4年ぶりに52週平均を下から上へ突き抜けた。この現象をゴールデン・クロスと言って、株価が上昇局面に入った証拠だと考えられている。また昨年の株価の動きは、95年と酷似しているという指摘もある。95年は前半に下げたあと、後半から翌年にかけて急騰した。

経験則では、どうだろう。酉年は1969年以来、4回連続の上げ相場。その平均上昇率は15%だった。ところが西暦で末尾7の年は、株価にとって苦難の年。1987年はブラックマンデー、97年はアジア通貨危機、07年はサブプライム不況に遭遇した。和風と洋風のどちらを信用したらいいのだろう。言えることは、トランプ政権の発足までは順風で株価が2万円を超える可能性は十分にある。だが、そのあとは酉がどちらを向いて騒ぐか不透明ということになりそうだ。

      ≪5日の日経平均 = 下げ -73.47円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>