魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

ロマネ・コンティとカレラのジャイロボール

2007年05月03日 | ワイン ~2019年
TV番組「バリバリ☆バリュー」の中で「ロマネ・コンティ」が「100万円ワイン」
として登場しました。
さらにロマネ・コンティ(以下RC)は100万円だけど、それに最も近いワインがある。
それはカリフォルニアの「カレラ・ジェンセン」で11000円で飲める。
ソムリエさえもよく間違えるというのだ。そこへジェンセン氏が登場。
「どっちが美味いかは、RCを持ってきてごらん。私がカレラを出すから飲み比べを
しよう」・・・・・・?!

RCの話題が出る度に正直、食傷気味になります。

まずRCが「ロマネ・コンティ」としてではなく「100万円ワイン」という意味合い
に最近は変わりつつあるようです。確かに100万の方がインパクトありますもんねえ。

それと、分かっている方は分かっていると思いますが・・・、
RCに一番近い味わいは「カレラ ジェンセン」ではなく、同じ造り手(ドメーヌ・
ド・ラ・ロマネ・コンティ社)のすぐ側の畑のワイン、つまり「リシュブール」とか
「ラ・ターシュ」こそを挙げるべきでしょう。

かつて漫画「ソムリエ」でカレラが紹介され、話題になった時、私はパソコン通信
「ニフティ」のワインの部屋へ出入りしてワイン談義をしておりました。(10年ほど前)
当時そこでも同じ話題になり、じゃあ飲み比べをしよう!とオフ会が行われました。

もちろんRCとカレラはベクトルの違う味わいであったことは明らかでした。
当のジェンセン氏もRCで働いたこともなく、人工衛星で同じ土壌を探した?
なんてことも全くありません、とかつてはきっぱり仰っていたはずですが・・・。
今や「ジャイロボール?」になってしまいました。

実際「カリフォルニアのRC」として大いに売れているわけですし、水を差して
自分のワインの売り上げを落とす必要はないのですから。

TV番組ではそこは触れておらず、妙な流れになっていましたねぇ。

さらに「ソムリエでさえもよく間違うほど似ている」ということになっていましたが、
ソムリエですらいろんな方が日本国内だけでも1万人ほどいらっしゃいますし、
みんな飲んだ経験があるわけでもなし、むしろ、「RCを飲むこと、またブラインド
で当てること、分かること」がソムリエの仕事でもありません。

RCが100万円の味わいや価値があるかどうかも「ジャイロボール」なのかも
知れません。

TV的に話題性はあるのでしょうが、演出ばかりが先行してしまうのが番組制作の
現状なのでしょうか・・・。


コメント (2)
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