魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

A地点からB地点まで・・・

2012年04月14日 | Weblog
ちょっと変?かもしれませんが、ふと思うことを書いておきます。


「道」と「風景」のおはなし。


近年、我が家の前の道が拡張工事で広がりました。

この地区の他にも登っていくと、広がった箇所はいろいろとあります。


それで新しい道なり、通りの風景をながめていると、ふと何かを無くした
ような気になってしまうのです。



図で説明すると分かりやすいかもです。







こんな感じです。

昔は左側で、拡張されてからは右側の図。


かつてA地点からはB地点くらいまでしか風景は広がらず、C地点は見え
ませんでした。

同様にB地点からはC地点までが見渡せ、D地点は見えませんでした。

それぞれの見渡せる区域に、それなりの小世界やそこならではの空気が
ありました。

ここにはこんなお店があって、誰とかさんちがあって・・・・・など。



しかし、右側の拡張後の通りを見てみますと、A地点からD地点までが
見渡せてしまうんですね。


するとどうでしょう???


いくつかあった小世界が、すぽーんと広がって一気にひとつの風景へと
統合されてしまったのです。


なにか大切?とまではいかないかもしれませんが、確かに失った世界観
がありますよね。

何とか取り戻せないかと思うのだけれど、それは無理で、すべては頭の
中に眠る地図や記憶に委ねてしまいます。


失ったものの代わりに、何を得たのか?考えてみても答えは出ないまま、
また何となく毎日を過ごし、広がった光景もこれからは新たな小世界と
して認知されていくのでしょう。


もう見えない光景は昭和の世界だったり、人情や人付き合いだったり、
温かさだったり、そんな感傷が沸いてきます。


でも本当は何も変わってなくて、その場所、その場所はずっと存在し
続け、昔と同じ速さで時間も過ぎ、ここに住む人たちの物語も同様に
進んでいくのでしょう。


現在見える光景が、きっと温かいものでありますようにと、祈るような、
すがるような・・・でもそれは何に向かってなのか、自分自身でも説明
できないままの、そんな気持ちです。


コメント
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