今夜の試飲はこれ。
2001 ブルゴーニュ ピノ・ノワール(アミオ・セルヴェル)
(仏、ピノ・ノワール種、赤、価格は謎、入手ほぼ不可能)
コルクを開けるのが大変でした。スクリューの螺旋ごと崩れて出てきて、別のルートでねじ込み
それでもコルクの上半分でちぎれてしまい悪戦苦闘! ACブルゴーニュなのでそんな質の
良いコルクは使っていませんし、20年近く経つとそれはそれはもう大変。コルクくずを落とし
ながら、拾って、ようやく飲めました。
こういう時はコルクに文句を言わずに、コルクも自分の体を張って20年近くもワインを守り
続けてくれたんだねぇ、と思うことにしよう。
香りはイチゴ、フランボワーズ、ブラックチェリーなどのフルーツに日陰の植物(井戸の苔)、
控えめな革、肉、熟していますがそれでも失わないミネラルや酸。
味わいはまだ元気な果実味としっかりしたタンニン。酸味も素晴らしい。
ただ、もともとACブルゴーニュランクなので華も弱めだし、深みもグランクリュのようにはありません。
でもね、それでもがんばってしっかりと健全に飲めていることに拍手を送りたいと思います。
派手さも少なく、映えないけど、とても実直にその果実味を維持してきたこのワインを心から
褒めてあげたいと思います。ブラボー!
もちろんこの造り手の上のクラス、例えばシャンボール・ミュジニーの1級畑ものだと
見事に花開いているかもしれません。でも、このスタンダードクラスでここまで保つか?
と言われると感心せざるを得ません。飲むほどに、時間と共に好きになって愛着が増してきます。
開けるのは大変だったけど、良いワインと出会えました。こういうのをじっくりと向き合うと
きっと古酒を好きになることでしょう。質素で地味で、それでもまだ元気で、美味しくて・・・
まるで自分の人生を見ているような、例えているような、そんな感情がこみ上げ心に沁みます。
思わず涙が溢れそうでした。ワインから感じるもの、学ぶものって意外とあったりするんです。