どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)09 『アカシャの海』

2009-10-03 00:09:01 | 短編小説
      (アカシャの海)      来人は、机の上に置いたフラッシュライトの光を見ているうちに眠りに引き込まれていった。  勉強をするのと同じ姿勢のまま、急速に天空に運ばれていた。  地球から切り離された感覚があり、とてつもなくリラックスした気分を味わっていた。  肺に入りこんでくる細かい粒子が心地よかった。  深山で吸う空気に似て、体の細胞がどこまでも広げられるような安心感があった。 . . . 本文を読む
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