どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)44 『国旗屋』

2011-01-17 02:00:12 | 短編小説
     (国旗屋) 月の光が煌々と降り注いでいた。 川辺のススキが、風を受けて穂先を揺らしている。 夜半の土手は、人っ子一人通るはずもない。 その土手道を人影が横切った。 風に押されるように進む、前かがみの女の姿に見えた。 銀色の穂先は、なびく髪だったのだろうか。 光と闇のはざまで、人影が妖しく通り過ぎていった。 隼人は、胸苦しさを覚えて目を覚ました。 またも同じ夢を見たのか。 いや、わずかに違 . . . 本文を読む
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