どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(短編小説)『ジャコビニ流星雨が見えない夜』(2)

2019-04-06 01:58:48 | 短編小説
 その日、穂積隆三は夫人とともに家を出た。  ホテルへ直行するのも芸がないので、銀ブラでもしようと相談がまとまり、肩を並べての散歩を楽しんだ。  四丁目のやや奥まった場所にある郷土料理店で、北海道の味をたっぷりと楽しみ、再び大通りに出たときは宵闇が迫っていた。  あるいは宵闇というには、少し暮れ残っているという時間帯だったかもしれない。空がどんよりと重く、それが街全体を暗くしていたのだろう。 . . . 本文を読む
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