どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『窓貸します』

2022-09-13 04:22:30 | 短編小説
   ぼくが小学校からの帰りに回り道すると、坂の途中にある写真館の窓から老人が外を見ていた。隣には空き地を隔てて蔦の絡んだ洋館があり、もう二十年以上も空き家になっているとの話だった。  ぼくは白金台にある小学校の二年生で、毎朝母の運転する車で送ってもらっていた。 別に親が過保護にしているのではなく、母ひとり子ひとりの家庭では、その段取りが一番生活ペースに合っていたから . . . 本文を読む
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