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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『モロゾフの刺客』

2022-09-09 00:02:19 | 短編小説
 父の命日に、その男は突然やってきた。 もっと正確にいえば、ぼくが部屋に入るより前にその男は侵入していたのだ。 外は雪だった。 東京には珍しい積雪量で、ぼくは混雑する電車を諦めハイヤ―を頼んで勤め先から帰ってきたのだった。 マンションの一階にある2LDKがぼくの住まいだ。 ロックを解除して中に入ると、誰もいないはずのリビングルームのソファにその男は坐っていた。 ぼくは窓から差し込む雪明かりを受けて . . . 本文を読む
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