どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『攫う』

2023-01-17 00:08:57 | 短編小説
 貞夫は目覚めの不確かな感覚の中で、それを見た。  夜をしっかりと眠ったあとだったのか、それとも中途半端な昼寝の途中だったのか判然としないが、目覚めたその目でありありと見てしまったのだ。  場所は黒姫に近い山里の萱葺の家だった。  仰向けに目覚めた視線の先に、煤けた構造物がむき出しになっていた。  木の骨組みの上に、夥しい量の萱が編みこまれている。  貞夫にとっては見慣れた風景で、目覚め . . . 本文を読む
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