シャガ
画像は(ウィキペデイア)より
シャガの咲く季節になって
この花は幾多のイクサを鎮撫して
長い歴史を見守ってきた花だと実感する
なにかの縁でこの地に移り住んで
山襞に群生するシャガを愛でてきたが
天然の要塞を彩るにふさわしい慰撫の花だとも
戦にスポットを当てれば歴史はイクサ
少ない耕作地を耕して実りを得た人びとは
歴史からは記録をたどれない
山では狩猟 海では魚や貝や海藻を
もくもくと採る生活を営んできた
関東武士が開府した六百年前の記憶の裏で
なんと哀れなイクサ人よ
墓もつくれずに野ざらしとなるしゃれこうべ
いつの世にも繰り返される闘争の成れの果て
安らかに眠れ 鎮撫の花シャガが休みなく咲く
小止みなく降り雪ぐ梅雨前(さき)の雨
ああ 忍耐の花シャガに雨が降る
ほんの一握りのイクサ人だけが歴史に名を残し、大部分のイクサ人は墓もつくれずに野ざらしとなりしゃれこうべとなったのでしょうね。
「安らかに眠れ 鎮撫の花シャガが休みなく咲く」はすべてもの救いです。
歴史に名が残るのは一握りのイクサ人だけで実際に戦闘をして死んでいった大部分のイクサ人は武具甲冑を奪われて肉体は野ざらしとなったのでしょう。
駆り出された坂東武士もいれば一旗揚げんと勇んで参加した成り上がり武士もいたでしょうが、いずれの時代でも哀れなのは大多数の雑兵。
鎌倉市の一部の地域には死んで風化した人骨が捨てられているそうです。
シャガの花を見るとついそんなことに思いをはせてしまうのです。