さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

「日高線と生きる」を観る

2025年02月16日 | 北海道シリーズ


こちら函館・松風町の老舗バー「杉の子」。


これは函館を舞台にした映画「海炭市叙景」の名前を取ったカクテル。この映画は
なかなかよかった、と話したらママさんが喜んでサイン入りの台本を見せてくれ
ました。

原作は函館出身の作家・佐藤泰志で、彼の小説は次々に映画化されており、私は函館を
舞台にした映画をだいぶ見たので、「そこのみにて光輝く」「オーバー・フェンス」
「きみの鳥はうたえる」「草の響き」などを見ました。

ちなみに「きみの鳥はうたえる」ではこの店の名前だけが出てきましたが、実は店内で
ロケを5時間もしたのに、その場面は全部カットされてしまったとかw

しばらく函館の映画や佐藤泰志の話をしていたら、土曜日に「まちづくりセンター」で
佐藤泰志に関わる映像のイベントがあると教えてくれたのです。いまの我が家の目の前
ですから、これは是非行かねば、と思いました。


こちらが「まちづくりセンター」。元は函館を代表する丸井今井百貨店だったのです。
函館は何度も大火に襲われていますから、昔の木造は焼失し、明治に入ってからこの
ような石造りになり、その後3階が4階、5階と増築されました。しかし改修時に
また屋上に展望台がある昔の3階建てに戻されました。

しかしここには東北以北最古の手動式(じゃばらのドアを手で開ける)エレベーター
があり、それは残したので左奥のほうだけは5階になっています。


ほらね、我が家から見れば後ろが5階になっていると^^


さてこのイベントでは佐藤泰志の人生を描いたドキュメンタリー「書くことの重さ
~作家佐藤泰志」を上映。彼は高校生のときに「市街戦のジャズメン」で文学賞を
取り、この夏にその映画化が上映されるのでこのイベントが企画されたのです。

彼はいくつか文学賞を取りましたけれど、芥川賞には5回も候補になったのについに
受賞は出来ませんでした。命を削るような執筆生活を送り、41歳の若さで自死して
しまいます。ちょっと重かったなあー。

このドキュメンタリーを作った監督の別作品「母と子の絆~カネミ油症の真実」も
上映されましたが、猛毒物質でひどい健康被害を受けた人たちの様子、国の対応の
ひどさ、黒く生まれた赤ちゃんなんかが出てくるというので、心が弱い私は見ない
ことにしたのでした。


もうひとつ、その監督・稲塚秀孝のドキュメンタリー「日高線と生きる」は見ました。


廃線になった日高線。私は6年前に襟裳岬から日高線終点の様似に出て、そこから
代行バスで鵡川まで行きましたねえ。去年は苫小牧から富川を経由して平取に
行きました。

ここはもうご覧の通り、ひたすら海岸線を行くので、10年前の高波で線路がズタズタ
になり、4年前に廃止が決定してしまったのです。このドキュメンタリーでは
日高線の歴史をたどり、沿線の人々の生活、昆布漁や競走馬を育てる牧場の様子などが
描かれました。

昆布漁では70代の漁師が海に出て昆布を獲り、それを女たちが地面に広げて干す様子が
出てきました。その漁師さんの父親は90代まで船に乗って漁をしていたとか。さらに
いちご農家では手摘みでいちごを収穫していましたが、形が悪かったり大き過ぎたりと
規格外のものを集めて加工する人たちがいて、それはメンタルに障害を持つ人たちが
せっせと作業をしているのでした。

なんだかね、、、地道で大変な仕事をず~~~っとしている人たちを見て、世の中には
お金を動かすだけとか、PCの中での作業だけで莫大な利益を上げている人たちが増え、
経済格差が爆発的に広がっているのを思わずにはいられなかったのでした。。。


女ってのはねェ・・・

2025年02月14日 | 北海道シリーズ


今朝の函館はよく晴れています。明日からまた強烈な寒波が来て、それがしばらく
居座るという予報なのですが。。。


「ラッキーピエロ」で生ベーコンバーガー。アメリカンな食べ物は嫌いだし、
チェーン店一般も嫌いなのですが、ここだけは函館限定の店だし、手作り感が
あって美味しいのでたまに食べます。旧正月も終わり、中国人も若干少なくなった。


右下のアンコの饅頭、「今日はバレンタインデーなので、男性のお客様だけに
お渡ししています」ときたもんだ。チョコは高いし?ちなみに函館は美女が多い。
あちこちの店員さんは、一瞬見とれてしまうほど美しい人が多い。ただ饅頭をくれた
店員さんは、還暦をとうに過ぎたロッテンマイヤーさん、という感じでしたw

函館の隠遁生活を送りつつ、フィリップ・ギルバート・ハマトンという英国作家の『知的生活』という本を読んでいます。何せ1904年という100年以上前のエッセイですから、古き良き教養を重んじる英国人特有の良識を感じさせるとともに、時に笑わずにはいられない時代のズレを発見します。

これは「知的生活を送るための心構え」といった内容の本で、様々な立場の人たちに書簡体で助言する形になっています。いま読んだ章は「あまり教育を受けてはいないが何でも上から決めつけ目線の難しい母ちゃんとうまくやっていけない、とこぼす立派な教育を受けた中流階級の青年に」という話でした。

その母親が、アルゼンチンがアメリカ合衆国の一部だと勘違いしてどうしても譲らないとき、やってはいけないのがイライラ怒り出して地図を目の前に置いて間違いを正してやろうとすること。その母ちゃんは世界地図なんか読めなかったりするのです(19世紀の女性はほとんど高等教育を受けていない。日本だと江戸時代なんですから)。

そこでハマトンは言います。「女は真実かどうかなんて関心がないのだ。お母さんはそんな君の態度に、自分を愛しているか、尊重しているのかを見ているのだよ」。

アヒ―!こんなこと言ったら、今なら炎上間違いなし!上野千鶴子激怒!

ただね、「女ってもんは~」という一般論ではなく、ただの「あるある」と見れば笑って読めるではないですか。私の同僚のとある女性は、旦那さんや恋人に自分の同僚に対する不満・愚痴を言うとき、「それは~すべきじゃないかな」とか助言したり、「君にも反省すべきところがあるよね」といった改善を促す説教を求めてはいない。ただ傾聴と受容、同意だけを求めているのよ!と断言していました。一般論や正しさの追求ではなく、あくまで「あなたに寄りそいますよ」という態度、姿勢が大事なんだと。「あるある」でしょう。だいたいそういう場合、男の助言、説教、正しさなんぞは多分に怪しいものだったりするし。これも「あるある」(^益^;


花粉症はまだ治らず

2025年02月12日 | 北海道シリーズ


東京に住んでいると、今の季節はほとんどカラカラの晴天続き。たまに雨が降って
半日くらいで上がる。しかしこちら函館は、たまに日が射したりするが断続的に
雪、たまに吹雪。

雪が積もれば地面はザクザクと歩けるが、昼間に少し気温が上がって表面が融けて、
そのあと夜になって氷点下になると地面はつるっつる!でこぼこなのに見事に
つるつるだと滑る滑る。転んでの骨折も多いとか。

こちらにやってきて一週間が過ぎたというのに、花粉症はまだ治らない。鼻は詰まるし
鼻水は止まらないしときたもんだ。氷の世界で風が吹くと、冷凍庫のなかよりも
ひどい感じで寒いのなんのって。外を歩いていると寒さなんだか花粉症なんだか
わからんが水っ鼻がたれてくる。ハンカチで押さえる。これ年頃のお嬢さんなんか
だったら困るよねー。ま、オヤジならいいというわけでもないんだけれど。


函館は「塩」で有名ですが、バー・アルトのマスター曰く、数十年前はこういった
黒い醤油ラーメンが主流だったとか。そこのバー、「ラーメンも出す」という方針
だったのですが、今やインバウンド客がラーメンだけを食べに来て連日大混雑。
ワンオペで常に満席なので、すっかりバーじゃなくなってしまいました。こういう
弊害が増えているのです。。。


函館のチェーン店、ハセガワストアーのやきとり弁当。北海道では「やきとん」を
「やきとり」と言います。


なじみの酒場、宝来東屋に。1年ぶりなので「久しぶりィ~」となるかと思いきや、
「あ~花粉の季節なんですね~」ときたもんだ。この一週間で、なじみの店に全部
ご挨拶に行きました。見事に全部の店で、私は「花粉症」という認識でしたw


まったくもう、もうちっとマシな覚えられ方ないんですかねwww

左下はニシン。4月に小樽に行ったらソイだ。いちおう頑張ってたまに飲まない日を
入れているんです(^益^;


函館、ついに快晴

2025年02月09日 | 北海道シリーズ


朝起きたら、ついに快晴だ~。この一週間、日本国中記録的な寒波でここ函館も
吹雪が続いていましたけれど、雲ひとつない日本晴れ!


港のほうに行ってみると、山もくっきり見えている。真ん中の尖ったのが駒ケ岳。


ちょうどこの場所は。。。


「寅次郎相合い傘」(1975)の場面に使われたロケ地なのですー。五稜郭タワーと
摩周丸の位置から同じ場所だと思うのですが、50年経っているだけに桟橋はないし
駅の近くには高層ホテルが乱立!


反対側の建物はほとんどなくなっています。


寅さんのうしろの一番左の建物がぽつんとひとつあるだけ。


緑がなくて海と空の青と雪の白さだけ。


イカ釣り漁船はイカが獲れなくなってどうなんだろう。。。


朝市のほうに向かうと、この数年間で次々に立ったホテル群。インバウンド客で
ぎっしりだから、街中に観光客があふれかえっています。物価も上がるしうんざり。


雪が積もると、こんなふうに歩くところが制限されます。ほぼひとりぶんの道なので、
向こうから人が来てすれ違うと、函館の人たちは数メートル前からこちらに譲って
あちらが雪の中をズボズボ。。。 申し訳ない気がするので、年配の女性だったり
すると俺が止まってよけて「どうぞどうぞ」とやるのだが、譲るのを譲らずにやっぱり
雪の中に立って「どうぞどうぞ」とやられる。

オレこわもてじゃないよ。。。華奢なほうだし何度も「怒るところが想像できない」
とか「安心系」とか言われたし、やさしそうで繊細なイケメンだと思うのだが、、、
函館の人々はとっても親切なのか。たしかに名古屋とか大阪とは人種が違う気がする。
いえスミマセン、東京とは違うな。

それなりに大きな街でプライバシーが適度に保たれていて、でも都会のぎすぎすした
ところがない、ほっとできる暖かさが感じられる街、だからとっても大好きなんです。


吹雪もまた風情あり

2025年02月08日 | 北海道シリーズ


この一週間たるものずっと越地吹雪(古い!)。現在の仮の我が家の目の前には
旧丸井今井呉服店の立派な建物。のちに百貨店となり、函館繁華街の中心地と
なっていたところなのです。


昼飯に宝来町のほうまでやってきましたが、こちらの名士・高田屋嘉兵衛の像も
雪が積もって寒そうw


「元祖小いけ」のスパイシーなカツカレー。連日つい塩ラーメンやカレーなんかを
食べてしまう。太るかな?


谷地頭温泉まで歩いて20分くらいなのだが、こう吹雪いていちゃあ顔に雪が
ピチピチ当たってたまらんので路面電車に乗りました。


降り出すと一晩でこうなります。ゆっくり風呂に入っていると、駐車していた車にも
積もるので、帰る人はせっせと屋根の雪を落としたりしています。


植木がロシアの帽子をかむったみたいだ^^;


これもアートですねェ。


帰りには弁天寿司に(^益^)b

この店にはよく外国人もやってくるが、地元の常連さんたちも多い。そのひとりが
楽しそうに大将と話をしていたが、どうやら危ないお仕事の方だそうで、2回も
刑●所にお世話になったという体験談を披露。毎日酒を飲むという話から、おつとめ
期間は一切飲めないので(当たり前だ)それが辛かったとか(^益^;


帰りは雪が止んでいた。冷凍庫のなかにいるようだぞww