
入り口の階段を下りていき、草の茂った公園の木ベンチに腰を降ろし、寒さを凌ごうと身体を丸めました。予想に反して20分ほど前に到着してしまい、ダウンジャケットの重装備とは言え、夜は津々と更けてきます。わずかに人影やタクシーが通るばかりで、それが過ぎると再び静寂と底冷えが支配します。
ふと木々に囲まれた夜空を見上げると、冬の大三角(シリウス・プロキオン・ベデルギウス)が輝いていました。牡牛座のアルデバランや昴(すばる)の星達もぼんやり光芒を感じます。そして双子座の連星を辿ってその下方に黄土色の土星が昇ってきています。
「そうだ、千里山の人達に冬の夜空を望遠鏡で見せてあげよう!」という考えが浮かび、僕は寒さも忘れて草の地面に寝転び腕時計を見ながら呟きました「あと5分」。しかし、予定時刻が過ぎても「愛の鐘」のチャイムは鳴りません。1分、3分、5分「残念、今日は鳴らないのかも‥‥」僕は起きあがり公園を出ました。でもおかげでこんな星空を見られたことに満足しながら歩き出したその時です!!
※土星は今年2月11日に“衝”になります。衝とは太陽と地球そして土星が一直線上に並ぶことで、土星も地球に接近しますので観望しやすくなります。千里山の皆さん、ご一緒に土星やオリオン大星雲そして昴など、素晴らしい冬の夜空を楽しみませんか?
※千里山.NETの「NET放送局」×「千里山の音」に「愛の鐘」のメロディーをアップしています。