千里山ブラウズ

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日本一の石橋のまち

2010-06-06 00:01:16 | Weblog

 NHK土曜日の関西ローカルに『西日本の旅』という紀行番組があり、近畿から四国・九州までの西日本にある放送局の持ち回りで制作されています。土曜日の朝のゆったりした気分の中で、各局共に旅番組がグローバル&バラエティー感覚で競い合っているようですが、この『西日本の旅』は地味ですが落ち着いた身近な旅情が感じられ、しみじみと「日本って良いもんだな」と思わせてくれるものがあります。
 今週は九州大分県の宇佐市院内町が「日本一の石橋のまち」として紹介されていました。院内町内には江戸末期から昭和初期にかけて建造された石橋が、地域交通用や農業用水路として大小合わせると75基もありますが、元々いくつもの深い谷に集落が点在するという地形上の理由と、川が急流で木橋では流されてしまうため石橋が求められたという背景があるようです。
 別のリンクページの「石橋ものがたり」を見ますと、町内だけでも15基もの石橋を手がけた名棟梁で「石橋王」と呼ばれた松田新之助、技術を支えた石工と支保工(基礎の木の枠組みを作る)の息のあった連携、そしてどのようにその石橋が造られたのかということが良く分かる写真など、ロマンチックで興味深い近代の読み物となっています。
 現在1名だけ残っている老齢の石工職人を中心に、その石橋の保全に当たっている人達が、「昔の職人の心意気が伝わってくる素晴らしい細工がされている」とインタビューで言っていた石橋を見ていると、その時代の持っていた力強い活気や地域の人々の協調の精神が、その名残の石橋や棚田の風景と同じように美しく感じられました。

・写真は実際には壁紙にできる程の大きなデータで、こちらのWEBサイト「宇佐市院内町の石橋群」(ページのダウンロードに少し時間が掛かります)から拝借しています。