NHK朝の連続テレビ小説『ウェルかめ』を毎朝見ていたので、その習慣で続いて『ゲゲゲの女房』も見るようになりました。
『ウェルかめ』は故郷の徳島県美波町を舞台にしていたドラマなので、内容云々よりも先ず懐かしい風景や阿波弁の響きなどで楽しめましたが、『ゲゲゲの女房』は一人の個性的な漫画作家の生き方が、奥さんの視点から描かれているということで興味が尽きません。ゲゲこと水木しげるさんは片腕を戦地で無くして復員後、紙芝居の作家として出発し貸本漫画作家を経て、後に漫画雑誌の連載で成功を収めますが、そのプロセスそのものが現在世界一と言われる日本の漫画の歴史物語にもなっています。
視聴率も人気漫画に絡んだテーマなのでかなり良いようです。民放各局のドラマや映画のヒット作に、漫画原作というパターンが多くなっています。NHKもそれに倣って良い題材を見つけたというところでしょうか。
先週までは結婚後の貧乏生活が中心になっていましたが、そろそろ時代は高度成長期の影響が様々な分野へ及び始める頃で、今週辺りから夫婦の周辺に漂っていた貧乏神とも別れることになりそうです(今週のタイトルも「貧乏神をやっつけろ」です)。ヒロインを演じている松下奈緒さんの魅力で明るく楽しそうに見える耐乏生活ですが、実際は厳しいものがある中で決して安易に流行を追ったりするのではなく、独自の世界観やスタイルを貫いている漫画家(クリエイター)の姿には清々しさを感じます。ただそんな極貧生活を安心して楽しく見守っていられるのも、後にその努力と志が報われて脱出できるということが分かっているからなのですが‥‥。
原作本には無い部分も、直接の取材や原作本に紹介挿入されている漫画、『僕の一生はゲゲゲの楽園だ』などを元に膨らませ脚本は作られているのでしょう。面白いエピソードを積み重ねて編集された『ゲゲゲの女房』を立ち読みし、時代性も僕には懐かしく読みたくなってつい買ってしまいました。でも、先に原作で展開を知ってしまうとドラマが詰まらなくなりそうなので、後追いで時々読むようにしようと思っていますが‥‥。
※ 一昨夜は『鶴瓶の家族に乾杯』の企画で、『ゲゲゲの女房』で水木しげるを演じている向井理さんが“女房”の故郷である鳥取県安来市を訪れ、ドラマの背景を実際に感じられて良かったとのことでした。
※ 『ゲゲゲの女房』の放送を見落とした方は、こちらの動画サイト「Collage Board」でご覧になれます。
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