続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

男の夢(身勝手)

2013-10-06 06:50:05 | 日常
 男は夢想する。こんなはずじゃなかったと。
 地位も金もある。しかし、悪くない、まんざらでもないと思って一緒になった妻には辟易としている。実は愛人がいる、もちろん妻には内緒である。


 しかし、男は急死。
 妻である女は泣き暮れていたが、ある日、引き出しに隠した夫の手紙を発見した。

 そこには何と「女房と別れて君と・・・云々」
 女と一緒に映した旅館の寝巻き姿の写真・・・。

《衝撃の事実!》

 涙は消え、腹の底からこみ上げるおかしさをこらえることができなかった。「馬鹿だよっ!」

「そりゃ、喧嘩はよくしたわよ。デモね、離婚なんて話は無かったわ」と言った。


 よく出来た妻にも不満があったかもしれない、愛人関係ならば輝いて見えるし、尽くしてもくれる。男の横暴、不遜は男の死で幕を閉じた。
 一千万からの費用をかけた葬儀・・・棺の中の男は死力を振り絞ってでも《あの手紙》を処分したかったに違いない。否、死ぬくらいなら、どんな波乱も乗り越えて、愛人と一緒になる夢を実現したかったのかもしれない。
 どちらかは永遠の謎である。


 昨夕、その妻である友人に某会館でバッタリ出くわし、ふと思い出した彼女の秘話。

『ポラーノの広場』111。

2013-10-06 06:42:26 | 宮沢賢治
「帰れるとも、こゝらはひるならたびたび来るとこなんだ。ぢゃ、地図はあげるよ。」
「うん、ミーロへやってかう。ぼくひるは野原へ来るひまがないんだから。」
 そのとき向ふのつめくさの花と月のあかりのなかにうつくしい娘が立ってゐました。


☆鬼(死者)は雷(神なり)、字で吐く(言う)也。
 幻(実体がないのにあるように見えるもの)に頼る講(はなし)は、化(形、性質を変えて別のものになる)を合わせることが常なる律(きまり)である。

『城』1406。

2013-10-06 06:24:57 | カフカ覚書
ここにいるところをクラムに見られてはまずいという考えが浮かんだが、それは、ぼんやりとしていて、この快適な気分をかすかに乱したにすぎなかった。

 うかんだ/Kam(kommen)→Kahn/小舟。
 かすかに/leise→Reise/旅、航海。

☆今の境遇を愛するクラム(氏族)に見せるべきでないという考えがうかんだ。ただ不明瞭な小舟が、旅(死出の旅)を混乱させたに過ぎなかった。