続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

どんなに好きでもいつかは・・・。

2013-10-26 06:13:40 | 日常
 女の楽しみである針仕事・・・義務であった時代も長かったかもしれないけれど、近年では既製品で事足りるので、自ら縫うという手作業は、ある意味贅沢な楽しみになっている。

 見事なパッチワークのバックを提げておられる老婦人に声を掛けたら、
「ええ、好きで幾つも作りました。褒めて下さるものですから皆さんに差し上げてしまって手元にはこれしか残っていませんの。
何時でも作れると思っていたからですが、今は手が不自由になり、家事をするのがやっとのありさまです。とうてい針やハサミを持つことなんか出来ません。ぽろっと手から抜け落ちてしまうのです。こういう日を考えていませんでした」婦人は(仕方がないわ)という風に、はにかんだ。

 死ぬ日ばかりを考えていたけど、その日の前には《試練》が待っている。どんなに好きなことでも、不可能になる日がやがて来るということを外していたかもしれない。

 何時だって出来るから・・・そう思って先延ばしにしていることは沢山ある。
 100歳まで生きるとして、30年計画を企てるなんて無謀な夢、机上の空論・・・(そうだったのか)

 昨日の四人会(一人欠席で三人会になってしまったけど)で、年長のTさんは、「ずいぶん洋服もバックも手作りしたけれど、今はもう手がね・・・」と嘆き、「だから、今はお料理とコーラスに熱を上げているの。でも思うように声が出ないので病院で検査を受けたら『咽喉の老化』ですって・・・」と笑った。


 いつか・・・は、やがて来る明日。心して今日の日を大事に過ごしたい。

『ポラーノの広場』131。

2013-10-26 06:00:43 | 宮沢賢治
ファゼーロはすばやくその樺の木にのぼってゐました。そしてしばらく野原の西の方をながめてゐましたがいきなりぶらさがってはねおりて来ました。

 樺はカと読んで、化。
 木はモクと読んで、黙。
 野原はヤ・ゲンと読んで、夜、現。
 西はセイと読んで、星。
 方はホウと読んで、朋。
 来ましたはライと読んで、雷。(キと読んで、鬼/死者の魂)

☆化(形、性質を変えて別のものになる)を、黙っている。
 夜に現われる星の朋(仲間)は雷(神なり)。

*死者の魂は雷(神なり)と言っているのだから、どちらでもいいと思う。「死者の魂は平等であり神である」という主旨。

『城』1426。

2013-10-26 05:46:19 | カフカ覚書
もちろん、あのときクラム自身はもう出てこないだろうとは知るよしもなかったのだが、もし出てきたのがクラムであったとすれば、言うまでもなく、橇の外で彼を出迎えたほうがずっとよかったのちがいない。まったく、あのさいいろいろと考えなくてはならないところだったが、いまはもう考えることなんかありはしない。もう終ってしまったのだから。

 橇/Schlitten→Schrift/書いた物、文字。
 viel→fiel(fallen)/死。
 終わり/Ennde・・・死。

☆もちろん知るよしもなかったのだけれど、たぶん、今はすでにクラム(氏族)自身が出てきたのだから、言うまでもなく、書いた物(文字)の外で死を迎えたほうがよかったにちがいない。まったくいろいろとここでは考えたけれど、今はもう考えることなんてありはしない、もう死んでしまったのだから。