続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『Ⅰ-4-5』『Ⅰ-4-6』

2015-09-09 06:27:44 | 美術ノート
 これは何の模型なのだろう。黄色の着色、そして切り込んだ空洞の中の緑色。
『Ⅰ-4-5』は一個であり『Ⅰ-4-6』は切り込んだ空間が二つ並列に在るという景色。

 山と平地…そして切り込まれた空間。切り込んだということは人為であり、英知の為せる業である。窟は自然のものもあるが、人間の手によって掘られ、英知を証拠づける壁画なども発見されている。

 つまり、わたし達が普通に目にする景色のその奥(あるいは地下)に、もう一つの世界が内在しているということである。
 長い時間の中に眠り続けている過去の文化が密やかに眠る景色は想像に難くない。実際に発見された洞窟は幾つもあり、実証されているからである。


 光に照らされ視覚を可能とする景色の下に隠れた世界がある。しかし、見えない地下は存在するかもしれないが、視覚を通さない景色においては非存在と同列である。

 緑色に象徴される生存の可能性。『Ⅰ-4-6』に見る周囲を囲む点描(穴)は何を意味するのだろう。直線的な並びは人為である。二つが対称に在るという景色も人為に他ならない。

 地上に模した、否、地下に秘した世界(文化)の神秘。
 若林奮の試作・・・。見えないもの(世界)を想像する精神の鼓動、道の向こう、地の果て、地平線の下。
 光(黄)と存在(生きる証としての緑/光合成による酸素)が景色を造る。
 そして、これはもしかしたら古代のお墓ではないか・・・。


 極端なほどシンプルに集約した景色としての作品・試作であると思う。見える物(景色)としての所有、しかし、その距離はもちろん曖昧である。
 

(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)

『銀河鉄道の夜』73。

2015-09-09 04:43:33 | 宮沢賢治
 それはひる学校で見たあの図よりはずうっと小さかったのですがその日と時間に合わせて盤をまはすと、そのとき出てゐるそらがそのまゝ楕円形のなかにめぐってあらはれるやうになって居りやはりそのまん中には上から下へかけて銀河ぼうとけむったやうなが帯になってその下の方ではかすかに爆発して湯気でもあげてゐるやうに見えるのでした。


☆合わせた講(はなし)が現れる途(みちすじ)がある。
 章(文章)は、実(中身)が弐(ふたつ)に換(入れ替わる)。
 号(あいず)は番(くみあわせて)推しはかり、他の縁(つながり)を計(見積もる)。
 拠(よりどころ)の註(意味を解き明かす)は、章(文章)の化(形、性質を変えて別のものになる)を吟ずる講(はなし)の態(ありさま)である。
 過(あやまち)の法(神仏の教え)の縛(いましめ)を撥(調整する)灯(世の中の闇を照らす仏の教え)の記が現れる。

『城』2078。

2015-09-09 04:37:48 | カフカ覚書
そして、その証人になってもらおうとして、オルガを呼んだ。オルガは、ちょうどそのとき腕に薪をいっぱいっかえて部屋にはいってきたところであった。


☆そして、その証人になってもらおうとしてオルガ(機関/仲介者)を呼んだ。オルガはちょうどその時、まるで哀れにも冥土に入って来たところであった。