続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『Ⅰ-5-9 スプリング蒐集・右手の先』

2015-09-16 06:58:43 | 美術ノート
 スプリング、sprinng・・・ばね、あるいは春。

 この作品の中に《springs》のコレクションがあるという。そして、指先二つの跡、右手とある。
 台座は層になっていて、浮いているというか剥がれかけた部分もある。円筒形の物体には後方の区切り板と前方の斜めに圧され切断された面がある。やはり少々浮いているように見える。

 これらをもって『スプリング蒐集・右手の先』と題している。

 スプリングは〔ばね〕でなく、〔春=青春〕を意味しているのだろうか。
 しかし、この中に、ばね(発条)の蒐集があると考えてみると、たしかに不穏な空気感を感じる。強い弾力は、この円筒形の物を弾き飛ばす威力を有しているかもしれない。否、内包されているばねは、むしろ緩和のため、衝撃を弱めるための物かもしれない。


 ばね(発条)には反発力と衝撃の緩和がある。

 この威力を抑制するものとしての右手の指跡。


 予想を超えるエネルギー、想定外の暴走を秘めた青春という時間。そして、その自制心である圧さえた指跡・・・青春の軌跡として閉じこめらた時空の提示かもしれない。

 スプリング・springs、二つの意味はそのまま通用する《秘めた時空の胸の鼓動、振動尺》なのでは、と、思いを馳せた作品である。


(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)

見つからない。

2015-09-16 06:32:24 | 日常
 月イチの七宝焼きの教室。
 メンバーのOさん、お気に入りの指輪を製作し、各メンバーに出来栄えを見せに歩いた。3班、1班、はて自分の席に戻ってみると、小さなハート形の七宝焼き部分が片方無くなっていることに気付いた。
(えっ、どこどこ?)
 最初は軽い気持ちで探し始めたものの、見つからない。

「だって、今あったモノが無いっておかしいでしょ!」

 メンバー八人が目を皿のようにして探した。もちろん彼女の道具箱は幾度もひっくり返して探した。

 なのに・・・ない!(こんなことある?)

 無いわけないでしょ、数分前まであったんだから。

 指輪の小さな飾り部分、小さなハートが二つ、濃いエメラルドグリーンの釉薬が掛けてあって可愛い仕上がり。(わたしもこの次は・・・)と思っていたモノ。


 あーぁ・・・でも、無いわけないでしょ。
「見ていない所って、ここだけよね」と、誰かが棚の下の隙間を指した。
「でも暗くて見えないわ、」
 懐中電灯をセンターに借りて覗いた。「無いわね・・」「無いみたい」

 そのうちセンターの方が長箒と塵取りを持ってきてくれたので再度確認。出てくるのはホコリとゴミだけ。

 ・・・。

「いいのよ、ありがとう。みんなに見てもらって・・・ごめんね」と、Oさん。

 確実にさっきまで目に見えていたものが極小(5ミリ程度)とはいえ、みんなの目の前から消えた。

 納得いかないけど、そういうことって確かに在ると・・・そう思うしかない。残念!

『銀河鉄道の夜』80。

2015-09-16 06:22:24 | 宮沢賢治
 ジョバンニは、いつか町はずれのポプラの木が幾本も幾本も、高く星ぞらに浮かんでゐるところに来ていました。


☆重ねていることを黙っている記は、翻(形を変えてうつす)。
 基(もと)を翻(つくりかえる)講(はなし)である。
 照(あまねく光があたる=平等)は普く貴(尊い)。

『城』2085。

2015-09-16 06:18:05 | カフカ覚書
というのは、もちろん自分には納得のいかないことだが、フリーダとあんたがた一家とのあいだにはひどい反目があるからだ、と白状した。


☆先祖の権力、もちろん理解しがたいことだが、フリーダ(平和)とバルナバス(北極星=死の入口)の一族とは深い敵対関係があるからだ。