(対象の作品は、写真右下)
長方形の台座の上に突起物…森の中の小山だろうか。周囲は平面であり草木の集合を思わせる模型。
左下端の影に見える部分は水だろうか、川もしくは湖、そして海。だとしたら、小山ではなく、かなり壮大な山ということになる。
平面に見える線は方位を現わしているのだろうか、山からの傾斜角度かもしれない。
それにしても山の有り様は怖い。
片側は、かなりの急勾配である。更に、その反対側はえぐれている。この模型を俯瞰で見るから恐怖心は起こらないが、実際の構造を想像してみると、崩壊を免れないような危険を孕んでいる。
自然のもつ驚異は脅威を内包している。まさに所有されたこの領域の雰囲気は、恐怖の振動に震えるばかりの光景である。
森のはずれは、「人を寄せ付けないような神の領域である」という暗示がある。
この振動を小さな模型という形で《見せながら隠している》
この雰囲気、足がすくむような、呼吸が止まるような光景を垣間見せた作品に、ため息をついている。
(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)
長方形の台座の上に突起物…森の中の小山だろうか。周囲は平面であり草木の集合を思わせる模型。
左下端の影に見える部分は水だろうか、川もしくは湖、そして海。だとしたら、小山ではなく、かなり壮大な山ということになる。
平面に見える線は方位を現わしているのだろうか、山からの傾斜角度かもしれない。
それにしても山の有り様は怖い。
片側は、かなりの急勾配である。更に、その反対側はえぐれている。この模型を俯瞰で見るから恐怖心は起こらないが、実際の構造を想像してみると、崩壊を免れないような危険を孕んでいる。
自然のもつ驚異は脅威を内包している。まさに所有されたこの領域の雰囲気は、恐怖の振動に震えるばかりの光景である。
森のはずれは、「人を寄せ付けないような神の領域である」という暗示がある。
この振動を小さな模型という形で《見せながら隠している》
この雰囲気、足がすくむような、呼吸が止まるような光景を垣間見せた作品に、ため息をついている。
(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)