続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

若林奮『Ⅱ-1-5「所有・雰囲気・振動ー森のはずれ」のための模型No4』

2015-09-22 06:50:45 | 美術ノート
(対象の作品は、写真右下) 

 長方形の台座の上に突起物…森の中の小山だろうか。周囲は平面であり草木の集合を思わせる模型。
 左下端の影に見える部分は水だろうか、川もしくは湖、そして海。だとしたら、小山ではなく、かなり壮大な山ということになる。
 平面に見える線は方位を現わしているのだろうか、山からの傾斜角度かもしれない。

 それにしても山の有り様は怖い。
 片側は、かなりの急勾配である。更に、その反対側はえぐれている。この模型を俯瞰で見るから恐怖心は起こらないが、実際の構造を想像してみると、崩壊を免れないような危険を孕んでいる。


 自然のもつ驚異は脅威を内包している。まさに所有されたこの領域の雰囲気は、恐怖の振動に震えるばかりの光景である。
 森のはずれは、「人を寄せ付けないような神の領域である」という暗示がある。

 この振動を小さな模型という形で《見せながら隠している》
 この雰囲気、足がすくむような、呼吸が止まるような光景を垣間見せた作品に、ため息をついている。


(写真は神奈川県立近代美術館/葉山『若林奮 飛葉と振動』展・図録より)

『銀河鉄道の夜』86。

2015-09-22 06:27:55 | 宮沢賢治
 十字になった町のかどを、まがらうとしましたあ、向ふの橋へ行く方の雑貨店の前で、黒い影やぼんやり白いシャツが入り乱れて、六七人の生徒らが、口笛を吹いたり笑ったりしてめいめい烏瓜の燈火を持ってやって来るのを見ました。


☆自由な辞(ことば)で重ねる考えの教(神仏のおしえ)である。
 講(はなし)で法(神仏の教え)を蔵(おさめる)。
 化(形、性質を変えて別のものになる)を展(ひろげて、繕(なおすこと)を告げ、営(つくること)を吐く(言う)。
 新しく覧(見渡し)録(文字に書き記す)は、死地の図りごとである。
 照(あまねく光が当たる=平等)を図る考えを推しはかる。
 章(文章)を重ね、透(すかして見る)と、果(結末)の二つめの記が現れる。

『城』2091。

2015-09-22 06:21:31 | カフカ覚書
 Kは、アマーリアがこんな多くのことを筋道ただしく話すのをまだ聞いたことがなかった。話しぶりも、いつもとは違うようにおもえた。そこには、一種の高慢さがこもっていた。


☆Kはアマーリア(作り話/マリア)が、こんなに多くのことを関連付けて話すのを聞いたことがなかった。話しぶりもいつもとは違い、先祖の壮大な感じがあった。