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続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『本来の意味』

2016-06-13 07:16:53 | 美術ノート
 『本来の意味』
 黒い枠の中に✖の形で四つに分かれた場面があり、それぞれ《青》《緑》《レンガ模様》《corps de femme》と描かれている。

 青は空を、緑は森もしくは自然を、レンガ模様は人的作為/英知を、文字は文字通り/記号であり、四角の枠(フレーム)は告知、表象を、✖の形は否定を指示している(ように見える)。
 意味とは何か…この場合、描かれた彩色・形・文字から感覚的に何らかのイメージに結びつける作用をいい、その彩色・形・文字が含む領域である。
 決定的な説明がなされないこれらの指示において、鑑賞者の眼差しは必ずしも一致を見ない。多数の鑑賞者は多数の感想を持ち、文字においては共通言語外であれば単なる線描にすぎず、記号/伝達の意味をなさない。

 データーの集積により、画面から答え(内容)を導き出すのは本能的な作用である。

 しかし、これを『本来の意味』として提示することに意味(意義)はあるだろうか。深層心理に潜む曖昧な仮象を決定的に表現し、伝達することは不可能である。

 よって、『本来の意味』とは、かくもこのように曖昧であり、関係性の希薄なものである。(人は集約的な概念を頼りに、心的印象によって伝達を可能にしているにすぎない)


(写真は『マグリット』展・図録より)

『銀河鉄道の夜』340。

2016-06-13 06:51:20 | 宮沢賢治

ジョバンニが見てゐる間その人はしきりに赤い旗をふってゐましたが俄かに赤旗をおろしてうしろにかくすやうにし青い旗を高く高くあげてまるでオーケストラの指揮者のやうに烈しく振りました。


☆験(しらべると)現れる図りごとは、釈(意味を明らかにする)記である。
 我(わたくし)の釈(意味を明らかにする)の記は、照(普く光が当たる=平等)であるべき鬼(死者)の考えの講(はなし)である。
 試みの記は、裂(バラバラに離れる)信(しるし)がある。


『城』2345。

2016-06-13 06:40:32 | カフカ覚書

「なんですって!」と、Kは叫んだが、オルガが頼むように両手をあげたので、すぐに声をひくめた。まさか姉のあんたが、アマーリアはソルティーニの要求どおり縉紳館へ駈けつけるべきだった、などと言うのじゃないいいでような」


☆「なんですって!」と、Kは叫んだが、オルガが乞うように手をあげたので声をやわらげた。まあ姉のあなたがソルティーニに随行し、大群の暈(死の入口)へ行くべきだったと言うのではないでしょうね。