続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)冬の母。

2021-07-20 07:17:27 | 飯島晴子

   冬の母まつられ厚き舌をもつ

 冬の母はトウ・ボと読んで、党、暮。
 まつられ厚き(祀厚)はシ・コウと読んで、支、交。
 舌をもつ(舌持)はゼツ・ジと読んで、絶、事。
☆党(仲間)の暮らしを支え、交(行き来しあうこと)は絶(素晴らしい)事である。

 冬の母はトウ・ボと読んで、盗、模。
 まつられ厚き(祀厚)ハシ・コウと読んで、視、交。
 舌をもつ(舌持)はゼツ・ジと読んで、舌、似。
☆盗む模(ありさま)を視(よく見ると)交じる舌(言葉)が似ている。

 冬の母はトウ・ボと読んで、蕩、暮。
 まつられ厚き(祀厚)はシ・コウと読んで、肆、恒。
 舌をもつ(舌持)はゼツ・ジと読んで。絶、自。
☆蕩(だらしない)暮らしを肆(ほしいままにする)恒(常)を絶(断ち切る)自(わたくし)である。

 冬の母はトウ・ボと読んで、唐、母。
 まつられ厚き(祀厚)はシ・コウと読んで、子、講。
 舌をもつ(舌持)はゼツ・ジと読んで、舌、似。
☆唐(外国人)の母、子(子供)の講(はなし)舌(ことば)を似(真似ている)。

 冬の母はトウ・ボと読んで、套、簿。
 まつられ厚き(祀厚)はシ・コウと読んで、覗、構。
 舌をもつ(舌持)はゼツ・ジと読んで、舌、治。
☆套(蔽った)簿(ノート)を覗き、構(組み立て)舌(言葉)を治めている。


D『接近する金属の中に水車のある独身者の器具』

2021-07-20 06:44:56 | 美術ノート

   『接近する金属の中に水車のある独身者の器具』

 接近する金属? なんという詩的な表現だろう。要するに仮想空間でしか起こり得ない動向である。
 第四次物理空間では決して存在しない時空表現である。さらに金属の中に水車があるという奇想天外、しかもそれが独身者の器具だという。だいたい独身者って…既婚者以外は皆独身者だけど、独身者の器具など聞いたことがない。
 意味不明な羅列、言葉がハレーションを起こしている現場に眩暈を感じる、不思議な世界、有り得ない時空の魔力。真善美などという情緒、人間的な風合いの欠如は鋭利なナイフで切り取ったような夢幻である。

 作品は平面であるが、蝶番がついており回転を可能とするものである。つまり平面ではなく三次空間を前提とする仕組みである。この二次元を回転させると中にある具体的なそれぞれは具体性を失い、ただの線条になり、全体は球体として浮上する仕掛けである。

 現今見えている真実を霧消に帰す、有ったものが無くなる。
 存在とは何だろう。消失前の幻のようにさえ思えてくる。不条理この上ないタイトルと作品に描かれた歪みある実質を伴わない条理を外した奇想の関係に答はあるのだろうか。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより


『国道の子供たち』27。

2021-07-20 06:19:53 | カフカ覚書

 ぼくたちは前よりもくっつき合って駆け出した、手を握り合っている子もいた。くだり坂になっていたので、ぼくたちはできるだけ顔を反らせなければならなかった。誰かがインディアンの鬨の声をあげた、ぼくたちの足にはかつてないほどギャロップの弾みがつき、跳躍すると風がぼくたちの腰をもちあげた。


☆わたしたちは一緒にくっついて走った。大勢は互いに訴訟(事件)に及んだが、十分高い位置ではなかったので理解できなかった。飛び上がると、空虚な風も跳ねるように舞い上がった。