続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)猫の毛の。

2021-10-06 07:18:35 | 飯島晴子

   猫の毛の飛ぶ闇を来て夏の友人

 猫の毛はビョウ・モウと読んで、病、亡。
 飛ぶ闇を来てはヒ・アン・ライと読んで、秘、庵、頼。
 夏の友人はカ・ユウ・ジンと読んで、彼、優、人。
☆病で亡くなった秘(人に知られないように隠した)庵。
 頼りにしていた彼の優れた人である。

 猫の毛はビョウ・モウと読んで、美容、妄。
 飛ぶ闇を来てはヒ・アン・ライと読んで、費、闇、頼。
 夏の友人はカ・ユウ・ニンと読んで、化、誘、任。
☆美容で妄(みだら)に費(使う金銭)。
 闇(愚かにも)頼ってしまった。
 化(形・性質を変えて別のものになる)で誘(惑い)任(ゆだねてしまった)。

 猫の毛はビョウ・モウと読んで、微恙、亡。
 飛ぶ闇を来てはヒ・アン・ライと読んで、避、案、頼。
 夏の友人はカ・ユウ・ジンと読んで、禍、憂、尽。
☆微恙(軽い病気)は亡(逃げる)。
 避(難を避ける)案(考え)の頼り、禍(災い)の憂いを尽(全て無くす)。

 猫の毛はビョウ・モウと読んで、描、朦。
 飛ぶ闇を来てはヒ・アン・ライと読んで、秘、闇、瀬。
 夏の友人はカ・ユウ・ニンと読んで、河、夕、認。
☆描く朦(月がぼんやり霞むさま)は秘(奥深くて計り知れない)。
 闇(くらい)瀬(時期)の河の夕(夕方)に認(見える)。


M『彼は語らない』

2021-10-06 06:44:51 | 美術ノート

   『彼は語らない』

 白い石膏像、仮面、唇だけ赤い彩色が施されている。
 画面はどのような空間(時空)なのか、遠近は不確かで白い石膏の仮面だけは前面に浮いているように見えるが後ろの円形の板についているのかもしれない。光は左上から射しているが、背後とつながっているのか、異空間なのかがはっきりしない。はっきり描いているのにはっきりしないのである。

 あたかもつながっているかのパイプも不明である。画面左半分の均等に並んだ点描は何を示唆しているのだろう。時間だろうか、朝がきて夜になり朝を迎えるという一日と名付けられた時間の間隔。
 長い時間を夢想する男(仮面)、背後の女の眼差しはしっかり前の仮面を凝視しているように見える。唯一生命を感じる眼差し、しかし、時間の背後ではある。
 仮面はもちろん生きたものではない。

 錯誤(事実と認識との不一致)、画面全体の不条理は明確である。しかし、あえてこのバランスで構成を決定した真意がある。
 不条理そのものの認識、この静かな錯乱、心の迷走を『彼は語らない』断固として語れない。説明のつかない深層心理の展開である。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』21。

2021-10-06 06:23:57 | 宮沢賢治

「あいつは昨日、木炭のそりを押して行った。砂糖を買つて、じぶんだけかえつてきたな。」雪童子はわらひながら、手にもつてゐたやどりぎの枝を、ぷいつとこどもなげつけました。

 昨日→キ・ノウと読んで、鬼、悩。
 木炭(すみ)は済(終わったこと)。
 砂糖はシャ・トウと読んで、赦、禱。
 やどりぎ(宿鬼)は、一時的に身を置く鬼(死者/亡霊)。
 こども・・・子供(死境)ではなくなっている。

「あいつは鬼(死者)であることに悩んで、済(終わったこと)の赦(罪や過ちを赦す)禱(祈り)を買って(バイと読んで倍/多くして)じぶんだけ(現世へ)帰ってきたな。」死の導師はわらいながら、手に持っていた一時的に身を置く死者の枝(シと読んで、死)を、ぷいっとこども(子供ではなくなった)になげつけました。