続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)眼を伏せて。

2021-10-07 07:07:48 | 飯島晴子

   眼を伏せて一匹の鯉飼ひにけり

 眼を伏せてはゲン・フクと読んで、舷、覆。
 一匹はイツ・ヒツと読んで、溢、漬つ。
 鯉飼ひにけりはリ・シと読んで、罹、姿。
☆舷(船の側面)が覆(ひっくり返り)溢(あふれ)漬つ(濡れて)羅(災難にあう)姿。

 眼を伏せてはゲン・フクと読んで、言、複。
 一匹はイツ・ヒツと読んで、逸、筆。
 鯉飼ひにけりはリ・シと読んで、裏、詞。
☆言(ことば)が複(かさなり)逸(隠れている)。
 筆(書いた文字)の裏(内側)にも詞(言葉)がある。

 眼を伏せてはゲン・フクと読んで、限、伏。
 一匹はイツ・ヒツと読んで、何時、必。
 鯉飼ひにけりはリ・シと読んで、履、死。
☆限(区切り)は伏(隠れている)。
 何時か、必ず履(経験する)死がある。


M『天才の顔』

2021-10-07 06:30:09 | 美術ノート

   『天才の顔』

 もしあなたの右の目が罪を犯させるなら、それを抜き出して捨てなさい。 五体の一部を失っても、全身が地獄へ投げ入れられない方が、あなたにとって益である。 (略)
『目には目を、歯には歯を』といわれていたことは、あなたがたの聞いているところである。 しかし、わたしはあなたがたに言う。 悪人に手向かうな。 もし、だれかがあなたの右の頬を打つなら、ほかの頬をも向けてやりなさい。
(マタイによる福音書より)

 右目、左頬の欠落。 どうしても上記の言葉を思い浮かべてしまう。 「罪を犯した右目、右の頬を打たれたら左の頬をも向けなさい」
 この石膏像が天才の顔だという。 キリストの教え、キリストは天才だと称賛しているのだろうか。

 中空に渡した板はコの字型に刻まれているがこれは何を示唆するのだろう、時間かもしれない。 周囲は暗黒だが石膏の顔とそれを乗せた板だけには光がさしているのは「光あれ」という言葉の具現か…。 にもかかわらずビルボケ(死人)は漆黒である。

 天才の顔は中空の薄い板の上に乗っているだけである。 危うい位置関係、少なくとも盤石ではない。 
 これはマグリットの基督教に対する感想ではないかと思う。

 写真は『マグリット』展・図録より


『水仙月の四日』22。

2021-10-07 06:05:51 | 宮沢賢治

枝はまるで弾丸のやうにまつすぐに飛んで行つて、たしかに子供の目の前に落ちました。

☆枝(死)はまるで弾丸(タマ→霊)のようにまっすぐ飛んで行って、たしかに子供(死境)の目の前に落ちました。

 子供はびつくりして枝をひろつて、きよろきよろあちこちを見まはしてゐます。雪童子はわらつて革むちを一つひゆうと鳴らしました。

 革むち・・・革ハカクと読んで、覚。むちは無智。

☆子供(死境)はびっくりして枝(死)をひろって、きょろきょろあちこちを見まわしています。雪童子(詩の導師)はわらって無智の覚(覚り)を鳴らしました。
 ひゆう・・・比喩。例えているんだよ、と。