続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)天人は。

2022-01-22 07:14:05 | 飯島晴子

   天人はなゝめに倒れかたばみ咲く

 天人はテン・ジンと読んで、纏、塵。
 なゝめに倒れ(斜倒)はシャ・トウと読んで、捨、蕩。
 咲くはショウと読んで、床。
☆纏(からまりつく)塵(ちり、ほこり)を捨て蕩(払い除く)床。

 天人はテン・ジンと読んで、典、腎。
 なゝめに倒れ(斜倒)はシャ・トウと読んで、写、問う。
 咲くはショウと読んで、仕様。
☆典(書物)は腎(重要)である。
 写して問う(解らないことを尋ね、問いただす)仕様(方法)がある。

 天人はテン・ニンと読んで、店、任。
 なゝめに倒れ(斜倒)はシャ・トウと読んで、舎、謄。
 咲くはショウと読んで、商。
☆店を任(まかせる)舎(自分)、蕩(締まりのない)商いである。

 天人はテン・ジンと読んで、諂、甚。
 なゝめに倒れ(斜倒)はシャ・トウと読んで、者、当。
 咲くはショウと読んで、悄。
☆諂(へつらうこと)が甚(はなはだしい)者がいる。
 当(これ)を悄(憂う、悲しむ)。

 なゝめに倒れ(斜倒)はシャ・トウと読んで、視野、等。
 咲くはショウと読んで、唱。
☆天人の視野(お考え)は等(平等)を唱える。


吉川宏志(私的解釈)年老いし。

2022-01-22 06:44:45 | 吉川宏志

 年老いし佐美雄のごとく蟷螂は机に置きし鉛筆を跨ぐ

 蟷螂、カマキリは短距離・直線的に空中を飛ぶ。Eテレ「香川照之の昆虫すごいぜ」でカマキリが人間だとしたらどのくらいの高さを飛ぶかの実験(?)をしたことがある、人間の比ではない飛行能力を示す結果となった。
 その蟷螂が机に置いた鉛筆を跨いだ、というのである。捕獲され弱っていたに違いない、逃げようとして鉛筆ほどの高さをやっと跨いだ蟷螂。

 年老い、高齢になられた(前川)美佐雄先生のお姿を思い浮かべた作者である。

 宮本武蔵は生涯六十余度の勝負に無敗だったという。しかし晩年、小さな石に躓いたという逸話も残っている。

 生きとし生きるものすべてがやがて迎える老齢、終末。
 いろはにほへとちりぬるをわかよわれそつねならむ・・・常ならぬ一本道を行く無常、作者の深いため息が聞こえる歌である。