続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

吉川宏志(私的解釈)夕闇に。

2022-01-25 07:35:48 | 吉川宏志

 夕闇にわずかに遅れて灯りゆくひとつひとつが窓であること

 時空間を切り取っている。
 夕闇という曖昧な彩色からやがて明度を落とし暗幕を張る時刻へと転移していく流れ・・・そのわずかな時の狭間を俯瞰する眼差し。

 一つ一つの家庭、団らん、孤独もあるかもしれない。事情はともあれ灯りがともることで明確になる窓という物の形。形に秘められた様々な人間模様を知る術はなく、それぞれの点在が町の呼吸であるかのように明らかになっていく。

 夜のとばり、遮蔽の隠匿。窓の明かりという事実だけが一つづつ明確にその存在を知らしめていく穏やかなリズムは、サスペンスをも秘めた不思議な空間である。


『飯島晴子』(私的解釈)世離れの。

2022-01-25 06:58:30 | 飯島晴子

   世離れの虎尾草の尾をかたむけて

 世離れはセイ・リと読んで、星、璃。
 虎尾草はコ・ビ・ソウと読んで、個、美、相。
 尾をかたむけて(尾傾)はビ・ケイと読んで、微、形。
☆星は璃(宝石)であり、個(一つ一つ)が美しい。
 相(ありさま)は微(かすかな)形である。

 世離れはセイ・リと読んで、成、理。
 虎尾草はコ・ビ・ソウと読んで、固、備、創。
 尾をかたむけて(尾傾)はビ・ケイと読んで、弥、形。
 ☆成(なし遂げる)理(すじみち)を固める。
 備(あらかじめ用意した)弥(隅々まで行き渡る)形がある。

 世離れはセイ・リと読んで、整、理。
 虎尾草はコ・ビ・ソウと読んで、媚・葬。
 尾をかたむけて(尾傾)はビ・ケイと読んで、微、警。
☆整理(不必要なものを処分すること)。
 媚を葬る、微(ほんの少し)警(注意する)。

 世離れはセ・リと読んで、夫、利。
 虎尾草はコ・ビ・ソウと読んで、己、未、喪。
 尾をかたむけて(尾傾)はビ・ケイと読んで、備、計。
☆夫は利己(自分勝手)である。
 未(まだ)喪(弔いが終わっていないのに)備(あらかじめ用意する)計(見積もり)。


M『禁じられた世界』

2022-01-25 06:34:29 | 美術ノート

   『禁じられた世界』

 地球上の規律、観念、物理的真理に反する情景(時空)である。
 どうやら水の底(海底)に下半身を魚の尾にした裸身の女性がソファに横たわっている。眠っているのか夢想しているのか肘をつき他方の手にはバラの花(愛)を持っている。

 移動の自由は奪われ、囚われの身と言ってもいいかもしれない。けれど、暑くも寒くもない平穏、空気の代りに水の層に生きているが、全く異なる世界へは行き来が不可能である。

 この断絶、隠す術もなく裸身をさらしたまま彼女は生き続けているのかもしれない。守られているのだろうか・・・、決して現世(空気の層)には戻れない、戻ることを厳重に禁止されている世界を生きている。

 写真は『マグリット』展・図録より


賢治『雨ニモマケズ』5.

2022-01-25 06:10:39 | 宮沢賢治

 西ニツカレタ母アレバ
 行ツテソノ稲ヲ負ヒ
 南ニ死ニサウナ人アレバ
 行ツテコハガラナクテモイゝトイヒ
 北ニケンクワヤソシヨウガアレバ
 ツマラナイカラヤメロトイヒ
 ヒデリノトキハナミダヲナガシ
 サムサノナツハオロオロアルキ
 ミンナニデクノボートヨバレ
 クニモサレズ
 サウイウモノニ
 ワタシハナリタイ

☆済(救い)を募(広く求める)。
 講(話)は等(平等)、即ち普く難(苦しみ)を止めることが腎(重要)である。
 この考えを黙っている。