続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『ポラーノの広場』133。

2013-10-28 06:36:57 | 宮沢賢治
 わたくしどもはまたあるきだしました。俄かにどこからか甲虫の鋼の翅がりいんりいんと空中に張るやうな音がたくさん聞こえてきました。


☆餓(食物が足りなくて生命を維持できなくなる)による荒(ききん)の衷(心の中)、考(思い)を詞(言葉)にすることは空しいけれど、衷(心の中)を聴くことによる文(話)である。

『城』1428。

2013-10-28 06:25:24 | カフカ覚書
「わたしは、ここである人を待っているのです」と、Kは言ったものの、もはやクラムに会えるという当てはなく、ただ原則を盾にとってそう答えたまでだった。

 当て/Hofnung→Hof/太陽の暈。
 盾にとって/grundsatzlich→Grund satz/基本的な、命題。

☆「わたしは、ここである人を待っている」と、Kは言った。さらに、ハロー/太陽の暈(死の入口)は、何かの結果ではなく、基本的な命題(信条)である。

鶏が飛んだ!

2013-10-27 07:00:30 | 日常
 バードウオッチング・・・津久井方面に行く予定だったけれど、台風のため座学。

 先生が、鳥類に関する用語などを説明し「鶏は飛べません(一般的に)」と言われたとき、あの光景が脳裏を走った。

 息子が幼稚園児だったとき、近所の家で飼っていた鶏が庭から道路に出てきた。それを見た悪戯好きのあっちゃんが棒で追いかけたら、なんと佐藤さんの家の屋根に垂直に飛んだ。佐藤さんの家は斜面にあるため高台に作られている、その二階の屋根は三階建ての屋根に等しい高さで、その高さをものともせず追いかけられた助走だけで見事に飛び上がったのである。(びっくり仰天) その後、鶏は屋根から屋根へと飛び越えて行方知らずになってしまった。鶏の飼い主は「いいんですよ、姉から貰ったものの早朝から鳴くので、ご近所に迷惑だと思い、持て余していたんです。」と言い、しきりに謝るあっちゃんのお母さんを逆に慰めていたことを鮮明に思い出した。

「先生、鶏は飛びますね」と、言うと、
「はい、鶏は飛びます。通常は飛びませんけれどね、ブロイラーなども飛びません、飛ばないように飼育されていますから。木の枝に暮らす鶏も報告されていまして、原種は赤色野鶏といい、日本では名古屋コーチンなどがその類にあたるでしょう」と話された。

 あの鶏はどうしたかしら、衝撃とともに胸の痛む出来事だった。そういえば、衣笠山では野生化した鶏二匹を見たことがある。飼いきれなくなって放したと思われる。終戦後はどこかしらの家で鶏を飼い、卵はもちろん鶏も貴重な食料源だった。現に我家でも鶏の首を絞め、切り落とし、逆さに吊るして血を流し出し、湯に浸し、羽をむしり・・・残酷すぎてAh・・・。(その光景を見たために今でも鶏肉は食べられないと言う人もいるし、そのプロセスを出来ると言ったため、見知らぬ人からの依頼を受けたと言う人もいる)
 今でも誰かが・・・でないと、食べられない。鶏肉は安くてカロリーも低く手ごろな食材・・・でも、でも・・・いろいろ考えると、うーん・・・。

 すっかりブルーになってしまったけど、次回は「衣笠山」でのバードウオッチング、楽しみ。

『ポラーノの広場』132。

2013-10-27 06:47:51 | 宮沢賢治
「次のしるしはもう見えないんだ。けれども広場はちゃうどこゝからまっすぐ西になってゐる筈だからあの雲の少し明るいところを目あてにして歩いて行かう。もうそんなに遠くはないんだから。」


☆二つ現われる講(話)は常に再び活/動く。
 運/めぐる章(文章)の妙(不思議)を黙っている。
 部(区分けする)講(はなし)は、延(空間が広がる)である。

*ちなみに広場は基本的にコウ・ジョウと読んで、黄壌(黄泉、冥土)。

『城』1427。

2013-10-27 06:24:31 | カフカ覚書
「わたしといっしょにおいでなさい」と、紳士は言った。それは、命令的な口調ではなかった。しかし、命令は、言葉そのもののなかではなく、その言葉を口にしながらわざと冷淡そうにちょっと片手をふってみせた、その動作のなかにふくまれていた。

 命令/befehlen→befehden/戦う、争う、反目する。
 紳士/Herr→Heer/大群。

☆「わたしといっしょにおいでなさい」と、大群(大勢の死んだ人たち)は言った。それは争うためではなかったが、反目は言葉にはなく、故意の無関心にあった。

どんなに好きでもいつかは・・・。

2013-10-26 06:13:40 | 日常
 女の楽しみである針仕事・・・義務であった時代も長かったかもしれないけれど、近年では既製品で事足りるので、自ら縫うという手作業は、ある意味贅沢な楽しみになっている。

 見事なパッチワークのバックを提げておられる老婦人に声を掛けたら、
「ええ、好きで幾つも作りました。褒めて下さるものですから皆さんに差し上げてしまって手元にはこれしか残っていませんの。
何時でも作れると思っていたからですが、今は手が不自由になり、家事をするのがやっとのありさまです。とうてい針やハサミを持つことなんか出来ません。ぽろっと手から抜け落ちてしまうのです。こういう日を考えていませんでした」婦人は(仕方がないわ)という風に、はにかんだ。

 死ぬ日ばかりを考えていたけど、その日の前には《試練》が待っている。どんなに好きなことでも、不可能になる日がやがて来るということを外していたかもしれない。

 何時だって出来るから・・・そう思って先延ばしにしていることは沢山ある。
 100歳まで生きるとして、30年計画を企てるなんて無謀な夢、机上の空論・・・(そうだったのか)

 昨日の四人会(一人欠席で三人会になってしまったけど)で、年長のTさんは、「ずいぶん洋服もバックも手作りしたけれど、今はもう手がね・・・」と嘆き、「だから、今はお料理とコーラスに熱を上げているの。でも思うように声が出ないので病院で検査を受けたら『咽喉の老化』ですって・・・」と笑った。


 いつか・・・は、やがて来る明日。心して今日の日を大事に過ごしたい。

『ポラーノの広場』131。

2013-10-26 06:00:43 | 宮沢賢治
ファゼーロはすばやくその樺の木にのぼってゐました。そしてしばらく野原の西の方をながめてゐましたがいきなりぶらさがってはねおりて来ました。

 樺はカと読んで、化。
 木はモクと読んで、黙。
 野原はヤ・ゲンと読んで、夜、現。
 西はセイと読んで、星。
 方はホウと読んで、朋。
 来ましたはライと読んで、雷。(キと読んで、鬼/死者の魂)

☆化(形、性質を変えて別のものになる)を、黙っている。
 夜に現われる星の朋(仲間)は雷(神なり)。

*死者の魂は雷(神なり)と言っているのだから、どちらでもいいと思う。「死者の魂は平等であり神である」という主旨。

『城』1426。

2013-10-26 05:46:19 | カフカ覚書
もちろん、あのときクラム自身はもう出てこないだろうとは知るよしもなかったのだが、もし出てきたのがクラムであったとすれば、言うまでもなく、橇の外で彼を出迎えたほうがずっとよかったのちがいない。まったく、あのさいいろいろと考えなくてはならないところだったが、いまはもう考えることなんかありはしない。もう終ってしまったのだから。

 橇/Schlitten→Schrift/書いた物、文字。
 viel→fiel(fallen)/死。
 終わり/Ennde・・・死。

☆もちろん知るよしもなかったのだけれど、たぶん、今はすでにクラム(氏族)自身が出てきたのだから、言うまでもなく、書いた物(文字)の外で死を迎えたほうがよかったにちがいない。まったくいろいろとここでは考えたけれど、今はもう考えることなんてありはしない、もう死んでしまったのだから。

残念なわたし。

2013-10-25 07:04:36 | 日常
 どうもピントが外れている、呆けていると言ってもいいかもしれない。 

 先日の植物観察のときも集合時刻を勘違いして、自分では(まだ時間はある、間に合って良かった)という気持ちで悠々と駅に向かった。知人には手を振って見せたりして・・・。
 集合場所では衣笠CCの方が急ぎわたしに質問、
「渋滞していたのですか?」
「・・・?いいえ」と、にっこり。(この辺りが、すでにおかしい人になっているわたし)

 友人のそばに行くと、
「あなたさぁ、遅れてきたのにのんびり歩いて!」と、指摘された。《えっ?遅刻だったの》
「9時15分集合だったから、わたしは8時35分のバスで来たけど、みんな結構集まっていたわよ」

 ショック!(9時30分集合だと思っていたから、9時5分のバスで・・・)
 皆様、本当にごめんなさい。でかい態度(太っているうえに、膝に支障があって歩行困難なものだから)で現われたわたしを許して!


 山での植物観察が終わり解散。すると友人が、
「わたしは用事があるから十字路まで歩くわ」と言ったのを受けて、
「わたしも商店街で買い物をするから十字路まで歩くわ」と。

 十字路でバイバイしてハッとした。あの日、お財布を忘れたことを忘れていた。無一文で買い物は出来ない。

 何かそんな風にわたしはとろい。残念な傾向ではあるけれど、認めないわけにはいかない。
 本当に悔しいほどに、残念なわたしである。

『ポラーノの広場』130。

2013-10-25 06:46:24 | 宮沢賢治
処々にはせいの高い赤いあかりもりんと灯りその柄の所には緑いろのしゃんとした葉もついていたのです。

 処々はショ・ショ・と読んで、諸、書。
 高いはコウと読んで、講。
 赤いはシャクと読んで、釈。
 灯りはトウと読んで、悼。
 柄はヘイと読んで、併。
 所はショと読んで、諸。
 緑いろはロクと読んで、録。
 葉はヨウと読んで、要。

☆諸(もろもろ)書く講(はなし)の釈(意味を解き明かす)。
 悼(死の悲しみ)を併せ、諸を録/文字に書き記している。これが要である。