2月28日、NYダウは、米国経済に関する弱いデータが相次ぎ発表されたことを嫌気して前日比104ドル安、10,993ドルで取引を終了した。
通信ネットのGoogleが弱気見通しを発表したことをきっかけにNYダウは売りムード一色になったとWSJ紙電子版は伝えている。ただ、グーグルの株価は一時前日比13%下落したが引け後の電子取引では7%台まで下げ幅を縮小しているようだ。
今年1月の中古住宅販売が前月比2.8%減少、ここ2年で最低の年率656万件へ低下したこともNYダウ下げに貢献したようだ。前日1月の新規住宅着工件数が5%減には強気を装っていたのだろうか。さすがに販売高も落ちるとワンツーパンチとなり落城した。
景気の重要な指標のひとつであるConference Board Indexが2月度101.7へ1月の106.8から低下した。同じく景気指標として重視されるシカゴPMA指数が1月の58.5から2月度54.9へ低下したことも相場の弱気虫を目覚めさせたようだ。
NY為替市場では、1ドル=115.70~80円とドルが対円で売られた。日銀の量的金融緩和政策に対して小泉首相はじめ主要経済閣僚が日銀のスタンスを見守るとの発言が相次ぎ3月8日の日銀政策会議直後にも『緩和政策』撤廃と読んだようだ。
ドルは対ユーロでも小幅売られた。1ユーロ=1.1849ドルから1ユーロ=1.1935ドルへドルは値下がりした。3月1日開催予定のECB(欧州中央銀行)会合で0.25%利上げを目先織り込む動きと見られている。
ただ、このままドルが対円、対ユーロ共に値下がりを続けると見る向きは少ないようだ。米FRBはあと2回0.25%FFレートを引き上げれば依然として米国との金利差は縮まらない。加えて今年は中間選挙の年であり、米景気は底堅いとの見方も消えていない。
一方、株式相場の指標となる原油相場は、ウイーンで3月8日開催予定のOPEC総会を控えて様子見している。2月28日、NY原油先物相場は小幅上げてバレル61.05ドルで取引された。イラン、ナイジエリア、サウジアラビアでの不安材料は全く消えていない。
猟師は風を見る。漁師は潮を見る。日本人の遺伝子の中には猟師の血も漁師の血も流れているはずだ。ただ、作家、司馬遼太郎の言を拝借すれば、『日本人は、田んぼのなかで数千年草むしりばかりして過ごしてきた。』
日本人のからだの中には農耕民族の血の方が圧倒的に優勢のようだ。物事相場に限らない。突発事態に日本人がどこまで対応できるか。潮目、風向きを見る目も子供のときから手を抜かないで養っておいて欲しいと思う。(了)
江嵜企画代表・Ken
通信ネットのGoogleが弱気見通しを発表したことをきっかけにNYダウは売りムード一色になったとWSJ紙電子版は伝えている。ただ、グーグルの株価は一時前日比13%下落したが引け後の電子取引では7%台まで下げ幅を縮小しているようだ。
今年1月の中古住宅販売が前月比2.8%減少、ここ2年で最低の年率656万件へ低下したこともNYダウ下げに貢献したようだ。前日1月の新規住宅着工件数が5%減には強気を装っていたのだろうか。さすがに販売高も落ちるとワンツーパンチとなり落城した。
景気の重要な指標のひとつであるConference Board Indexが2月度101.7へ1月の106.8から低下した。同じく景気指標として重視されるシカゴPMA指数が1月の58.5から2月度54.9へ低下したことも相場の弱気虫を目覚めさせたようだ。
NY為替市場では、1ドル=115.70~80円とドルが対円で売られた。日銀の量的金融緩和政策に対して小泉首相はじめ主要経済閣僚が日銀のスタンスを見守るとの発言が相次ぎ3月8日の日銀政策会議直後にも『緩和政策』撤廃と読んだようだ。
ドルは対ユーロでも小幅売られた。1ユーロ=1.1849ドルから1ユーロ=1.1935ドルへドルは値下がりした。3月1日開催予定のECB(欧州中央銀行)会合で0.25%利上げを目先織り込む動きと見られている。
ただ、このままドルが対円、対ユーロ共に値下がりを続けると見る向きは少ないようだ。米FRBはあと2回0.25%FFレートを引き上げれば依然として米国との金利差は縮まらない。加えて今年は中間選挙の年であり、米景気は底堅いとの見方も消えていない。
一方、株式相場の指標となる原油相場は、ウイーンで3月8日開催予定のOPEC総会を控えて様子見している。2月28日、NY原油先物相場は小幅上げてバレル61.05ドルで取引された。イラン、ナイジエリア、サウジアラビアでの不安材料は全く消えていない。
猟師は風を見る。漁師は潮を見る。日本人の遺伝子の中には猟師の血も漁師の血も流れているはずだ。ただ、作家、司馬遼太郎の言を拝借すれば、『日本人は、田んぼのなかで数千年草むしりばかりして過ごしてきた。』
日本人のからだの中には農耕民族の血の方が圧倒的に優勢のようだ。物事相場に限らない。突発事態に日本人がどこまで対応できるか。潮目、風向きを見る目も子供のときから手を抜かないで養っておいて欲しいと思う。(了)
江嵜企画代表・Ken