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鳥インフルエンザで、中国で10人目の犠牲者ー学校で教えてくれない経済学

2006-03-09 08:01:47 | 経済学
3月8日付けのWSJ紙電子版によると、中国政府はWHO(世界保健機関) に対して、鳥インフルエンザウイルスH5N1で9歳の中国人少女が死亡したと報告した。中国で10人目の犠牲者となる。

同紙によれば、その少女は、鳥インフルエンザで死亡したニワトリを飼っていた親戚の家に滞在、2月10日に発病、高熱があり肺炎で入院していた。中国当局の発表では、中国では15人が鳥インフルエンザにかかりこの内10名が死亡したという。

WHOが確認したところでは、2003年以降、アジアで、175人が鳥インフルエンザにかかり内95人が死亡した。今年2月初めから数えて、12ヶ国以上で鳥インフルエンザ感染が報告されている。いずれのケースも病気の鳥と人と直接の接触があったようだ。

中国衛生当局によれば、渡り鳥がH5N1ウイルスを媒介したとしている。中国東部地区は渡り鳥の通り道になっており、中国がH5N1ウイルス感染を阻止できなければ、鳥インフルエンザウイルスで数百万人が死亡する世界的大流行(Pandemic)になるだろうと話している。

シンガポールでは養鶏場同士の交流を最小限に抑え、H5N1ウイルスの伝染を防ぐ措置をとった。オーストリアでは、数匹の猫からH5N1ウイルスの陽性反応が出た。今年2月、鳥インフルエンザ発症はオーストリアはじめてのケースである。現在オーストリア当局は死んだ29匹のニワトリと猫との因果関係を調べているそうだ。

鳥インフルエンザの流行で、米国の鶏肉業者が現在苦境に立たされている。WSJ紙によれば、米国の鶏肉及びその加工品の生産業者は、生産の15%を輸出している。その輸出が昨年12月は28%減少、今年1~3月期には40%減るだろうとのアナリストの話をWSJ紙は紹介している。

米国の鶏肉業界の年間生産額は300億ドルにのぼる。米国の鶏肉の輸出は欧州向けが全体の3分の2と多く、05年末までの1年間で、30%減った。米国の業界は米国産の鶏肉は安全だと内外の消費者に必死にアッピールしているようだ。

先日、南フランスの農場で七面鳥が鳥インフルエンザで死んだ。日本を含む43ヶ国がフランスからの鶏肉の輸入を禁止しているとWSJ紙は報じている。

BSE問題をかかえた牛肉。鳥インフルエンザH5N1懸念が日々強まりつつある鶏肉。牛肉も危ない。鶏肉も心配だということになると、おかしなことに日本では下火の和食が、アジアでは人気だそうだから、この先世界的に魚人気が沸騰することになるかもしれない。(了)
江嵜企画代表・Ken



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