米財務省の国際問題担当スタッフが2月度の臨時レポートで、オイルダラーと世界の外貨アンバランス問題について発表した。
同レポートによれば、原油高騰により、米国、アジア、欧州の外貨バランスが悪化した。米国の石油輸入は、2002年の1040億ドルから2005年には2,520億ドルへ増加した。一方、中東諸国の物と投資合計で外貨収支バランスは02年の300億ドルから一挙に2,180億ドルへ増加した。例えばサウジアラビアは、石油収入の増加額は同国GDPの30%を占める。
石油輸出国の中には石油収入の大部分を輸入品に使う国がある。ロシア、ノルウエー、オマーンは石油収入の増加分をバランスよく使っている。石油値上がりで得た資金は景気振興、生活水準向上に使われる。将来の石油相場値下がりに備えて、国債残高削減に使っている。
3月8日、ウイーンでOPEC総会が開催される。第2四半期は不需要期に入るから本来なら減産を決めるところである。しかし、OPECは日量2,800万バレルの生産枠据え置きを決定するとの見方が多い。これは今回の米財務省レポートにあるごとに、石油代金がそのまま国家予算に組み込まれていたからであろう。
今回の財務省レポートの書き出しは、アジア、ロシア、ブラジルでの金融危機が起った、1998年12月、原油相場(WTI)は瞬間的には、1973年来最低のバレル11ドルを下回ったという言葉で始まる。
石油の値段は2005年8月、バレル70ドルと史上最高値を更新した。その後調整をいれて現在はバレル62~63ドルの高値圏で安定している。
OPECの本心は石油の値段は高くなり過ぎても困るがさりとて暴落は最も怖れるところである。OPECは生産枠日量2,800万バレル据え置きを次回総会で決めることによって虎の子の石油収入を守るだろう。〈了〉
江嵜企画代表・Ken
同レポートによれば、原油高騰により、米国、アジア、欧州の外貨バランスが悪化した。米国の石油輸入は、2002年の1040億ドルから2005年には2,520億ドルへ増加した。一方、中東諸国の物と投資合計で外貨収支バランスは02年の300億ドルから一挙に2,180億ドルへ増加した。例えばサウジアラビアは、石油収入の増加額は同国GDPの30%を占める。
石油輸出国の中には石油収入の大部分を輸入品に使う国がある。ロシア、ノルウエー、オマーンは石油収入の増加分をバランスよく使っている。石油値上がりで得た資金は景気振興、生活水準向上に使われる。将来の石油相場値下がりに備えて、国債残高削減に使っている。
3月8日、ウイーンでOPEC総会が開催される。第2四半期は不需要期に入るから本来なら減産を決めるところである。しかし、OPECは日量2,800万バレルの生産枠据え置きを決定するとの見方が多い。これは今回の米財務省レポートにあるごとに、石油代金がそのまま国家予算に組み込まれていたからであろう。
今回の財務省レポートの書き出しは、アジア、ロシア、ブラジルでの金融危機が起った、1998年12月、原油相場(WTI)は瞬間的には、1973年来最低のバレル11ドルを下回ったという言葉で始まる。
石油の値段は2005年8月、バレル70ドルと史上最高値を更新した。その後調整をいれて現在はバレル62~63ドルの高値圏で安定している。
OPECの本心は石油の値段は高くなり過ぎても困るがさりとて暴落は最も怖れるところである。OPECは生産枠日量2,800万バレル据え置きを次回総会で決めることによって虎の子の石油収入を守るだろう。〈了〉
江嵜企画代表・Ken