ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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イラン問題進展期待でNYダウ91ドル上げるー学校で教えてくれない経済学

2006-06-02 08:37:10 | 経済学
ウイーンで6月1日開かれていた6ヶ国外相会議のあと、英国のMargaret Backet外相が、イランの濃縮ウラン計画を停止させるようイランを説得することで6ヶ国が合意したと発表したとWSJ紙電子版はトップニュースで伝えた。

NYダウは、前日比91ドル上げ,11,260ドルで取引を終えた。NYダウ押しあげの要因はふたつ。この日相次ぎ発表された米国の経済データが、インフレ進行とそれに伴う利上げ継続懸念を和らげたことが第一、行き詰まっていたイラン核問題で6ヶ国が政治的解決に向けて動いたとのニュースが第二であろう。

ならず者国家のイランとは一切会わないとかたくなに主張していた米国がテーブルにつくことを決めたことが大きな変化である。ただ、経済制裁など懸案を多々残している。しかし、ロシアでのサミットが目前に迫った。米国、英国、フランスでは政権交代の危機さえ漂い始めた。計算高い中国も米国に恩を売るチャンスと見たのであろう。

相場の世界は水鳥の生態に例えてみればわかり易い。イラン核問題を嫌気して警戒していた水鳥が株式市場に舞い戻りつつある。一方、イラン問題を材料に金相場に群がっていた水鳥が一斉に飛びたった。NYダウが91ドル上げ、金相場が629ドルまで値下がりしたことがその間の動きを象徴している。

NY原油先物相場もバレル95セント値下がり、70.34ドルで取引された。イラン・プレミアム分が剥げ落ちれば起こる当然の結果である。60ドル近辺まで下げてもおかしくないが、OPEC総会で生産枠である日量2,800万バレルを据え置いたことで当面は心地いい居場所、バレル70ドルに落ち着いたようだ。

座り心地の悪い椅子に座っていると疲れやすいことと同じで、70ドル近辺は産油国にとっても居心地がいいゾーンなのであろう。ただ、中国はじめ原油をむさぼり食っている状態では、夏場のドライブシーズンを控え、ハリケーンがいつ襲ってくるかわからない状態では原油を積極的に売ってくるようなへまなことはしないであろう。

NY為替相場は、1ユーロ=1.2813ドル、1ドル=112.73円で小動きで取引された。債券相場は小幅な動きに終始した。10年物国債が小幅反落、利回りは5.108%と様子見している。

週末に発表される5月の米雇用統計にマーケットの関心が集中している。ここで強いデータが出れば6月末の米FOMCでFFレートは5.25%へ引き上げ上げられそうだ。

日本は6ヶ国協議にもはずされた。村上ファンドだけがニュースなのだろうか。(了)

江嵜企画代表・Ken


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