米利上げ継続観測が強まり、6月12日、米国株式市場は続落した。NYダウ(―0.91%)、エレクトロニクス指数ナスダック(―2.5%)、S&P500平均(―1.27%)、ラッセル小型株指数(―2.59%)それぞれ大幅値下がりした。
NY為替市場も、6月29日のFOMC会議で、0.25%利上げ必至との思惑から、利回り格差優位のドルが買われ、1ユーロ=1.2594ドル、1ドル=114.20円で取引された。
NY原油先物相場は、ハリケーンAlbertoがメキシコ湾油田地帯上陸が避けられるのではないかとの観測から売られ、小幅安のバレル71.35ドルで取引された。
6月末での0.25%の利上げを確実にさせた背景には、Ben Bernanke議長のコア・インフレ比率が居心地のいいゾーンの上限まで来たとの発言が引き金となった。その後、FRB理事のMark Olson,ダラス連銀総裁Richiard Fisher、クリーブランド連銀総裁Sandra Pianaltoがインフレ懸念を相次ぎ表明したことが影響したとWSJ電子版(6月12日)は紹介している。
特にPianalto女史は、米国の金融政策はまさにトラブルに巻き込まれている。エネルギー食料を除いたコア消費者物価指数がここ3ヶ月3%を越えたが、このままのペースで進めば居心地のいい領域を超えてしまうとバーナンキ発言をフォローした。
一部エコノミストは、利上げが継続されれば、米住宅需要は、Slowdown(鈍化)からMeltdown(崩壊)となる。個人消費、企業業績、ひいては米国経済をrecessionへ追い込むであろうと米国景気の先行きに悲観的ムードを強めているとWSJ紙は紹介している。
ヒトも人間である以前に動物である。動物の世界にはStampedeという習性があることは広く知られている。Stampedeの語源を辞書で調べれば、スペイン語のestampeda:大きな物音を語源としているとあった。
Stampedeは相場の世界だけでなく、一発の銃砲の音で驚き、軍隊が集団で逃げ出すときにも使われるようだ。英語の古語にはstempan:ドシンと打つと言う言葉がある。いずれも音に関連している。動物が音に敏感に反応して逃げることからStampedeが誕生したようだ。
バーナンキ議長は、1910年代の米大恐慌の一級の研究家である。お金ほど臆病な生き物はいない。ヒトは人間である以前に動物である。バーナンキ氏のインフレを警戒する銃砲が一度ならず二度、三度となれば、氏のせっかくの大恐慌の研究が、皮肉にも結果として大恐慌という深刻な副作用をもたらしかねない。困ったことになってしまった。(了)
江嵜企画代表・Ken
NY為替市場も、6月29日のFOMC会議で、0.25%利上げ必至との思惑から、利回り格差優位のドルが買われ、1ユーロ=1.2594ドル、1ドル=114.20円で取引された。
NY原油先物相場は、ハリケーンAlbertoがメキシコ湾油田地帯上陸が避けられるのではないかとの観測から売られ、小幅安のバレル71.35ドルで取引された。
6月末での0.25%の利上げを確実にさせた背景には、Ben Bernanke議長のコア・インフレ比率が居心地のいいゾーンの上限まで来たとの発言が引き金となった。その後、FRB理事のMark Olson,ダラス連銀総裁Richiard Fisher、クリーブランド連銀総裁Sandra Pianaltoがインフレ懸念を相次ぎ表明したことが影響したとWSJ電子版(6月12日)は紹介している。
特にPianalto女史は、米国の金融政策はまさにトラブルに巻き込まれている。エネルギー食料を除いたコア消費者物価指数がここ3ヶ月3%を越えたが、このままのペースで進めば居心地のいい領域を超えてしまうとバーナンキ発言をフォローした。
一部エコノミストは、利上げが継続されれば、米住宅需要は、Slowdown(鈍化)からMeltdown(崩壊)となる。個人消費、企業業績、ひいては米国経済をrecessionへ追い込むであろうと米国景気の先行きに悲観的ムードを強めているとWSJ紙は紹介している。
ヒトも人間である以前に動物である。動物の世界にはStampedeという習性があることは広く知られている。Stampedeの語源を辞書で調べれば、スペイン語のestampeda:大きな物音を語源としているとあった。
Stampedeは相場の世界だけでなく、一発の銃砲の音で驚き、軍隊が集団で逃げ出すときにも使われるようだ。英語の古語にはstempan:ドシンと打つと言う言葉がある。いずれも音に関連している。動物が音に敏感に反応して逃げることからStampedeが誕生したようだ。
バーナンキ議長は、1910年代の米大恐慌の一級の研究家である。お金ほど臆病な生き物はいない。ヒトは人間である以前に動物である。バーナンキ氏のインフレを警戒する銃砲が一度ならず二度、三度となれば、氏のせっかくの大恐慌の研究が、皮肉にも結果として大恐慌という深刻な副作用をもたらしかねない。困ったことになってしまった。(了)
江嵜企画代表・Ken