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米8月雇用統計材料にNYダウ96ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2009-09-05 12:40:08 | 経済学
注目の8月の米雇用統計が発表された。失業率は9.7%へ増加したが、就業者の減少が21万6,000人へ減り方が緩やかになってきたことは好材料であると評価して、9月4日のNYダウは前日比96ドル高、9,441ドルへ上げた。ナスダック、S&P500種平均指数いずれも2%前後値上がりした。

3連騰で注目された金相場は、オンス999.50ドルまで上げたが、数日で12% 強上げたので利益確定の売りが出て、993.85ドルで取引を終了した。今朝のNHK・BSが紹介するブルームバーグに出演した専門家は、ドル先安と見て来週、再び金反発と予測していた。

NY外国為替市場では、米雇用統計が、予想以上に改善しているとの評価から、ドルが小幅買い戻され、1ドル=92.99~93.04円、1ユーロ=132.01~04円で取引された。ロンドンで始まったG20で、アメリカとしては触れて欲しくないドル離れについて何らかの意見交換が行なわれるのであろうか。経済世界ナンバー2の大国の日本は担当大臣が出席しない。

今朝のNHK・BS「おはよう世界」に出演した、ある日本の銀行のコメンテーターは、米国景気回復期待から株が上げた。来週はドル高・円安に向かうと予測している。ただ昨日出た別の日本の銀行の専門家は、ドル安・円高が続くと予測していた。これだけ見ていてもよく分かる。それぞれがその時々の動きを見て、それぞれの立場、見方で予測している。

為替ついでに言えば、月刊誌「致知」最新号に渡部昇一、上智大学名誉教授は、「ドルはパチンコ玉と同じである。パチンコ玉[ドル]を買わなければパチンコというゲームが出来ない。いくらお金を持っていても、ドルに代えないとゲームが出来ない。よってドルは安泰だ」という専門家がいると紹介していた。

その一方で、渡部氏は、「景気に底入れ感が出ているという人がいる。しかし、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)で生じた隠された不良債権が日本円に換算して40京円(1京は1億の1億倍)ある。いまアメリカはドル札を印刷して問題銀行などに供給して懸命に支えているが、いずれ問題が表に出てくる」という専門家の見方も紹介している。

先のパチンコの玉の話に戻る。パチンコの玉のほとんどを占めていたドルの比率を徐々に下げて、IMFが発行するSDR(特別引き出し権)やユーロ、日本円のウエートを増やそうと中国は既に動き出した。ただ、シフトを一気に進めれば被害を受けるのは米国債を1兆ドルかかえている中国である。SDRを担ぎ出したのも計算づくの中国の国家戦略であろう。

日本では円高は悪、円安は善と、ただ呪文のように唱えている。果たしてそうだろうか。いままでの日本は、一貫した国家戦略がなかった。鳩山政権の為替政策に注目したい。(了)

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