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[ドルは保有外貨としてのステータスを失うだろう」:ぜーリック世銀総裁発言

2009-09-29 09:47:38 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



9月28日付けのWSJ紙は「円高を放置するとはひとことも言っていない(I’ve never said Iwill leave alone rises in the yen)」との藤井財務相の発言を紹介していた。この日のNY外国為替市場では、ドルが若干買い戻され、1ドル=89.60円で取引された。

藤井大臣は、鳩山首相がピッツバーグで「為替相場は安定することが望ましい」と発言したが、自分も同意見であると話した。ただ、「為替相場には介入しない」との自らの持論を藤井氏は変えていないと、WSJ紙は指摘していた。

日本の新聞では、円が1ドル=88円台まで値上がりしたことで、日本の輸出企業の採算が悪化する。日本の株価はさらに値下がりするだろうと、藤井財務相は円高を容認した人物として、ひたすら藤井発言を非難する記事が目立っている。

同じ日、世界銀行のロバート・ゼ―リック(RobertZoellick)総裁は、ワシントンDCで講演し、世界経済回復に向けての主要国の協調を呼びかけたあと、「ドルは、保有外貨としてのステータスを今後ますます失っていくだろう」と発言した。

ゼ―リック総裁は、「アメリカが国債発行残高をどこまで減らせるかにかかっているが、人民元は、10年20年後には大きな力を持つだろう」と語り、「もしドル安が進めば、ヨーロッパもアメリカ同様のチャレンジに直面しているが、ユーロが信頼される保有外貨になりうる」と話したと今朝のWSJ紙は紹介していた。

イギリスポンドがこのところ対ドルで売られている。キング英中央銀行総裁が、「ポンド安は英国景気回復を助ける」と発言したことがポンド売りを加速したとの一部為替リーダーの見方をWSJ紙は紹介していた。いまや1英ポンドは144円まで値下がりしている。

為替市場の最近の傾向の一つに、安い金利の円を売りドルやユーロを買う円キャリートレードが姿を消し、アメリカが事実上のゼロ金利になった結果、安い金利のドルを売って円、ユーロ、特に豪ドル、カナダドル、ブラジルレアルなどを買う流れが出てきている。

為替市場の一日の取引は4兆ドル(ドル89円換算で356兆円)と言われている。日本政府は以前、総額34兆円もの円を売りドルを買って、円安を誘導した。所詮、多勢に無勢、その後日本政府は円売り・ドル買い介入を実施していない。 

一匹一匹のイワシは弱い。しかし4兆ドルのイワシの大群を敵に回して買い向かうことにいかほどの成果が期待できるというのであろうか。ドルを青天井で印刷し、ドルを放し飼いにしている現状を放置している限り、ゼ―リック世銀総裁の発言に味方したい。(了)

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