尚歯会:住吉学園風景
江嵜企画代表・Ken
神戸市住吉小学校体育館で開かれた、第96回「尚歯会」(財団法人・住吉学園)に始めて参加した。神戸市東灘区の住吉地区に住む数えで70歳以上の人全員をお祝いするための会である。住吉学園から招待状が送られて来る。年々、資格者が増えて、今年は6,800人と聞いた。全員に手土産が用意される。そのお土産の中身がすごい。
大粒の梅干し[紀州産]が50粒詰まったひとケース、地元では老舗の虎屋吉末の瓦煎餅、お菓子の3箱セットである。高齢で出て来れない家族の代わりにお土産だけ貰って帰る人の姿も結構見られた。会場の住吉小学校の校門には、養護学校や住吉小の生徒が元気な声で出迎え帰りには、会場出口と校門で見送ってくれた。
式展は午後1時半に始まっていた。午後2時過ぎに会場に着いた。プログラム1番の住吉中学校の吹奏楽の演奏が始まったところをスケッチした。
プログラム2番目に住吉小学校合唱部が登場した。昨年NHK全国コンクール金賞を獲得した今や全国トップの学校である。今年も近畿大会で優勝、10月10日(土)午後2時からNHKで本番、生放送があるから是非見て欲しいと紹介があった。
課題曲「夢の太陽」も良かったが、特に自由曲「耳をすませば」は小学校の子供とはとても思えない。子供の資質にもよるだろうが、指導者に恵まれると子供はどこまでも化けるのではないかと驚いた次第である。
「青い山脈」、「銀座カンカン娘」、「川の流れのように」とよどみなく続き、アンコールでは「ふるさと」を聴かせてくれた。今朝、近くの喫茶店でも、子供たちと一緒に歌った「ふるさと」はジーンときたといい、昨日の「尚歯会」は良かった、よかったと大いに盛り上がっていた。あと漫才、曲芸、美空ひばり物まねショーとつづき午後4時までを堪能した次第である。
住吉学園は山持ち、土地持ちで有名である。旧住吉村が持っていた全ての財産を昭和19年に設立された住吉学園に移譲したのがはじまりである。戦後神戸市との合併話が出た時、住吉村は合併を拒否したことは語り草として残っている。15年前の大震災の時には、住吉地区の被災所帯として10万円見舞い金を、住吉学園からいただいた。
金持ち、土地持ちは世間に多くおられる。しかし、住吉学園のような存在は日本全国でも稀有なケースでなないかと思われる。余談ながら、六甲山ケ―ブルカ―は阪神電鉄(現阪急阪神HD)の経営であるが、土地は住吉学園からの借物だと今朝、くだんの「喫茶店」で土地の人間から聞いた。
この日一番嬉しかった話を是非紹介したい。住吉小学校の生徒が会場でのお茶サービスを手分けしてやっているではないか。さきほどまで見事な演奏を披露してくれた子供たちが、入れ換わり、立ち替わりお茶を配って歩いていた。
年寄りは結構のどが渇く。4時にお開きになるまで途切れることなく5百人は入った席をゆっくりとしたペースで回っていた。ありがとうと年寄りが答える。子供たちのこぼれんばかりの笑顔が印象的だった。(了)