10月23日のWSJ紙は、米FRB内部で、利上げのタイミングと幅をめぐって激しい議論が戦わされている。11月3,4日に開かれる次回FOMC(公開市場委員会)で出される声明文の文言がどのように変わるかに焦点が絞られてきていると書いていた。
ナメクジに塩という言葉がある。株式相場に利上げはまさにナメクジに塩で、利上げ観測が流れたことを嫌気して、前日比109ドル安、9,972ドルで取引を終了した。マイクロソフトやアマゾン・ドットコムの好決算は完全に無視された格好である。
NY外国為替市場では、ドル買い戻しの動きから、前日の1ユーロ=1.5031ドルから1.4998ドルへ、1ドル=91.28円から92.07円へ、1英ポンド=1.6620ドルから1.6310ドルへ、1ドル=1.0047スイスフランから1.0094スイスフランへドルは主要通貨に対して上昇した。
NY原油(WTI)先物市場では、一時、バレル79.82ドルまで値下がりし、結局バレル69セント値下がりし、80.50ドルで取引された。ドル相場が下がれば原油が上がる。ドル相場が上がれば原油が下がる最近のパターンを絵に描いたようにたどった。
日本では日々の相場の上がった下がったという話を嫌がる人が多い。また相場の話しかと言うのである。ところが狩猟民族である欧米人は、風の向き、潮の流れ、餌がもらえるか、水が飲めるかについて,農耕民族から見れば理解困難なほど敏感に反応する。
1ユーロ=1.50ドルを突破したあと、天井が近いと感じる。原油がバレル80ドルを突破して一時バレル82ドルを付けた時、行き過ぎではないかと立ち止まる。日本人の場合は、一度方向が決まるといつまでも同じ道を進もうとする。雪山で道に迷い遭難の恐れが出れば一端出発点に戻ることが鉄則と言われる。ところが日本人はひたすら前進して全滅する。
「ノモハン事件」(小林秀夫著、平凡社新書)に詳しいが、ソ連側の資料によれば、「日本兵はよく訓練されている。特に接近戦闘に優れている。一方、高級将校が訓練に欠け、紋切り型の作戦しか展開できない。」と現在の日本と生き写しで日本軍の特徴を喝破している。
今朝のWSJ紙はかなりのページを割いて、実質ゼロ金利に固執(stand pat)するのか、次の手を打つために入念に計画を練る(strategize)段階に来たと判断するのか議論が二分している。インフレの芽のドル安が進むことを米FRBは懸念していると指摘していた。
米企業業績には回復の兆しが見られる。しかし、9.8%の失業率、住宅差し押さえ物件の増加、商業用不動産の焦げ付きが多発と足元の景気は良くない。今朝のNYダウ値下がり、ドル買い戻しの動きは何を意味するのか。潮目の変化の兆しかどうか興味は尽きない。(了)
ナメクジに塩という言葉がある。株式相場に利上げはまさにナメクジに塩で、利上げ観測が流れたことを嫌気して、前日比109ドル安、9,972ドルで取引を終了した。マイクロソフトやアマゾン・ドットコムの好決算は完全に無視された格好である。
NY外国為替市場では、ドル買い戻しの動きから、前日の1ユーロ=1.5031ドルから1.4998ドルへ、1ドル=91.28円から92.07円へ、1英ポンド=1.6620ドルから1.6310ドルへ、1ドル=1.0047スイスフランから1.0094スイスフランへドルは主要通貨に対して上昇した。
NY原油(WTI)先物市場では、一時、バレル79.82ドルまで値下がりし、結局バレル69セント値下がりし、80.50ドルで取引された。ドル相場が下がれば原油が上がる。ドル相場が上がれば原油が下がる最近のパターンを絵に描いたようにたどった。
日本では日々の相場の上がった下がったという話を嫌がる人が多い。また相場の話しかと言うのである。ところが狩猟民族である欧米人は、風の向き、潮の流れ、餌がもらえるか、水が飲めるかについて,農耕民族から見れば理解困難なほど敏感に反応する。
1ユーロ=1.50ドルを突破したあと、天井が近いと感じる。原油がバレル80ドルを突破して一時バレル82ドルを付けた時、行き過ぎではないかと立ち止まる。日本人の場合は、一度方向が決まるといつまでも同じ道を進もうとする。雪山で道に迷い遭難の恐れが出れば一端出発点に戻ることが鉄則と言われる。ところが日本人はひたすら前進して全滅する。
「ノモハン事件」(小林秀夫著、平凡社新書)に詳しいが、ソ連側の資料によれば、「日本兵はよく訓練されている。特に接近戦闘に優れている。一方、高級将校が訓練に欠け、紋切り型の作戦しか展開できない。」と現在の日本と生き写しで日本軍の特徴を喝破している。
今朝のWSJ紙はかなりのページを割いて、実質ゼロ金利に固執(stand pat)するのか、次の手を打つために入念に計画を練る(strategize)段階に来たと判断するのか議論が二分している。インフレの芽のドル安が進むことを米FRBは懸念していると指摘していた。
米企業業績には回復の兆しが見られる。しかし、9.8%の失業率、住宅差し押さえ物件の増加、商業用不動産の焦げ付きが多発と足元の景気は良くない。今朝のNYダウ値下がり、ドル買い戻しの動きは何を意味するのか。潮目の変化の兆しかどうか興味は尽きない。(了)