ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

10月31日、NYダウ249ドル急落、前日の上げ199ドル帳消し(学校で教えてくれない経済学)

2009-10-31 19:37:50 | 経済学
『エコノミストはなぜ当てにならないか』について、近着の日本版ニューズウイークに、ダニエル・グロス記者(ビずネス担当)の痛快な記事が出ていた。「エコノミストによってデータの解釈が違うのは全く異なる視点から世界を見ているためだ」と結論づけている。

エコノミストにより、同じデータを見て、正反対の結論にたどりつくことは、長年、経済記事を書いていて、日常茶飯事だと断じ、「エコノミストの間の共通点は、複雑な経済学理論よりもそれぞれの信条や真念に大きく左右されるからだ。」と書いた。

市場や市場参加者は理性的で有能だと考えるか、それともいかれて無能だと考えるのか。前者の熱烈な信奉者は、アラン・グリーンスパン(前FRB議長)である。後者の代表は、ダン・アリエリ―(行動経済学者)であると書いている。

ニューズウイーク紙最新号の50~53ページにダン・エアリ―氏が、「行動経済学」とは何かについて、詳しく解説している。「最も効率的な方法を実践したり、人々に正しい判断をする助けになるためには、エレガントさより実用性を重視すべきだ。人々の不合理さを無視すべきでない。経済学は体系よりも実践重視の科学である。」という言葉が印象に残った。

7~9月期の米GDPデータが年率換算で3.5%増と出て、29日のNYダウは前日比199ドル急騰した。一日明けた30日のNYダウは、前日の上げ分を吹き飛ばして249ドル急落した。日本は休日で取引がないが、もし平日ならば、慌てふためいて売るのであろう。

NHK・BS[おはよう世界]が紹介するブルームバーグに29日出演したトレーダーは冷静な行動を呼びかけていた。翌日大きく売られることを予測して言ったのか聞いてみたいが、アメリカ経済の現状はオバマ大統領も指摘していた「回復の道半ば」なのだろう。

ところが、同じ「おはよう世界」の最後に登場する「経済情報」に出た日本のさるエコノミストは、「今回のGDPデータで米国における個人の心理面の改善から、クリスマス商戦を控えて、NYダウは上値を試す展開か」と楽観的な予測を述べていた。

当のご仁は会社を代表して番組に出ている。おかしなことは言えない。GDP3.5%増でNYダウは大幅に上げた。そこで投資家に辛口のコメントを述べてこそエコノミストの真価が問われると思うのは、いかに浅はかであるかを、過去の実績が証明している。

日本人に相場嫌いが多いのは、相場というものが上下に大きく変動することや専門家と称する人の見方が、その時々で、ころころ変わることも大いに影響している。経済嫌いの日本人をこれ以上増やさないためにも不都合な話も自由に出来る世の中にして欲しい。(了)

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