ワールドカップで鳴り響く「ブブゼラ」の90%がメイド・イン・チャイナである。ラッパ以外、他にもたくさんのサッカー関連の製品がMade in Chinaと、中国語のニュ-ス誌に掲載されていたと今朝の「経済学」読後感に添えて、知人のSさんから教えていただいた。
直近のニューズウイーク(NW)誌日本版は、「奇跡の成長」が終わる激震に、世界経済は耐えられるかと、「中国成長の終焉」を特集している。中国抜きにしては夜も日も明けぬ毎日だが、早くも「ポスト・チャイナ(中国後)の世界」に注目するアメリカ人記者の視点はさすがである。
ラ―ナ―・フォルーハ―記者(ビズネス担当)は、「頻発する労働者のストライキは社会不安ではなく経済成熟の兆候、今後は「穏やかなペース」で成長へと書き、「社会の暴発的成長はもう要らない。これまで中国は社会の安定を保つために成長を急いできた。」というモルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ会長の言葉を記事の結びに紹介した。
ルチル・ショャルマ氏(モルガンスタンレー・インベストメント・マネジメント新興市場部門責任者)は、「輸出も設備投資もほぼ限界まで拡大、ついに人民元切り上げを再開した、中国の成長鈍化は世界をどう変えるか」と問題提起して、「中国の株式市場が一年前の水準に下落した。中国が経済成長の難題に直面していることを、中国人自身が外国人よりはるかに率直に認めている証だ」と書いていた。
メリンダ・リウ(北京支局長)はマリア・ブラウンスカンプ記者と連名で、「下流化する大卒「蟻族」の鬱屈」と題して、「高学歴で労働意欲も旺盛なのに報われない若者が新たな社会問題に」と書き、「ブルーカラ―の賃金は最近になって上昇したが、ホワイトカラ―の賃金は大卒者が多すぎるせいで逆に下落している。「蟻族」は流動性が高い。不満分子の農民や民工と共同戦線を張れば抑え込むのは極めて難しい。」と問題点を鋭く指摘していた。
NW誌は別ページで、「タレ込み」通報者の70%が報復される恐怖との小見出しで、「汚職の広がりは深刻で、09年に収賄や横領で立件された公務員の数は4万以上に上る。国民の不満解消のため、「タレ込み」専用電話を開設した。1年間に29万件の通報があったが、そのうち70% が何らかの報復を受けた」と書き、昨年、広州市の小学1年の女児がテレビ取材で「将来は汚職官僚になりたい。なんでも手に入るから。」と答えて衝撃を与えた、と上記の記事を結んでいた。
雇用の悪化がきっかけで爆発装置が起動、労働者の暴動の形で爆発するかもしれない。豪州もブラジルも今浮かれているが中国抜きに語れない。中国がペースを落とせば、状況は一変する。ブブゼラが鳴り止むことはないだろうが、静かになり過ぎるのも考え物だ。(了)
直近のニューズウイーク(NW)誌日本版は、「奇跡の成長」が終わる激震に、世界経済は耐えられるかと、「中国成長の終焉」を特集している。中国抜きにしては夜も日も明けぬ毎日だが、早くも「ポスト・チャイナ(中国後)の世界」に注目するアメリカ人記者の視点はさすがである。
ラ―ナ―・フォルーハ―記者(ビズネス担当)は、「頻発する労働者のストライキは社会不安ではなく経済成熟の兆候、今後は「穏やかなペース」で成長へと書き、「社会の暴発的成長はもう要らない。これまで中国は社会の安定を保つために成長を急いできた。」というモルガン・スタンレー・アジアのスティーブン・ローチ会長の言葉を記事の結びに紹介した。
ルチル・ショャルマ氏(モルガンスタンレー・インベストメント・マネジメント新興市場部門責任者)は、「輸出も設備投資もほぼ限界まで拡大、ついに人民元切り上げを再開した、中国の成長鈍化は世界をどう変えるか」と問題提起して、「中国の株式市場が一年前の水準に下落した。中国が経済成長の難題に直面していることを、中国人自身が外国人よりはるかに率直に認めている証だ」と書いていた。
メリンダ・リウ(北京支局長)はマリア・ブラウンスカンプ記者と連名で、「下流化する大卒「蟻族」の鬱屈」と題して、「高学歴で労働意欲も旺盛なのに報われない若者が新たな社会問題に」と書き、「ブルーカラ―の賃金は最近になって上昇したが、ホワイトカラ―の賃金は大卒者が多すぎるせいで逆に下落している。「蟻族」は流動性が高い。不満分子の農民や民工と共同戦線を張れば抑え込むのは極めて難しい。」と問題点を鋭く指摘していた。
NW誌は別ページで、「タレ込み」通報者の70%が報復される恐怖との小見出しで、「汚職の広がりは深刻で、09年に収賄や横領で立件された公務員の数は4万以上に上る。国民の不満解消のため、「タレ込み」専用電話を開設した。1年間に29万件の通報があったが、そのうち70% が何らかの報復を受けた」と書き、昨年、広州市の小学1年の女児がテレビ取材で「将来は汚職官僚になりたい。なんでも手に入るから。」と答えて衝撃を与えた、と上記の記事を結んでいた。
雇用の悪化がきっかけで爆発装置が起動、労働者の暴動の形で爆発するかもしれない。豪州もブラジルも今浮かれているが中国抜きに語れない。中国がペースを落とせば、状況は一変する。ブブゼラが鳴り止むことはないだろうが、静かになり過ぎるのも考え物だ。(了)