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目先ひと息入れて、ユーロ反発、NYダウ100ドル高(学校で教えてくれない経済学)

2010-07-27 09:40:58 | 経済学
ストレステストは終わった。しかし、ヨーロッパの銀行の次なる課題は十分に資金調達出来るかどうかに焦点が移っている。結論から言えば極めて厳しい。多くの欧州の銀行は銀行間の融通や資本市場からの調達が難しいことから資金ショートに直面する。割高な資金に手を出さざるを得なくなると26日付けのWSJ紙は指摘していた。

ポルトガルの銀行は、ECBから5月に358億ユーロ借りた。6月は402億ユーロと過去最高である。ストレステストの前は180億ユーロだった。スペインは2ケ月前は900億ユーロだったのが6月は1,350億ユーロをECBから借りた,とWSJ紙は紹介した。

イングランド銀行の調査では、3ケ月以内に満期を迎える債券の総額は世界全体で5兆ドルにのぼる。とくにフランス、ドイツ、イタリアの銀行で深刻だ。IMFは、ユーロ圏の銀行で1年以内に満期を迎える総額は8,770億ユ―ロ、来年は7,710億ユーロ、2012年は7,140億ユーロと高水準が続くとレポートしている、とWSJ紙は紹介した。

欧州の大部分の企業は銀行からの借り入れ資金に70%依存している。アメリカ企業は資金の80%を資本市場から調達している。その違いは余りにも大きい。欧州企業は銀行が資金ショートすればなりたたない。欧州経済の年後半の経済見通しは下方修正を余儀なくされるだろうとWSJ紙は書いていた。

今回のEUの特別検査について、同じく26日付けのWSJ紙は、それぞれの国の経済予測が驚くほど甘い。経済予測が甘かったため、91行の内7行のみが「不合格」となった。イタリア、ギリシャでは、ぎりぎり「合格」した銀行が多い。経済予測が少しでも変われば「不合格」になったろうとデヴィッド・エリック記者が書いていた。同記者は、24日付けのWSJ紙に、今回のストレステストでは、国債のデフォルト(債務不履行)の可能性については調査されなかった。今回の調査が批判の対象になる手抜かりだったと書いていた。

足元の26日のNY外国為替市場では、ユーロが対ドル、対円共に値上がりした。なぜユーロが高いのかと聞かれて、 27日朝のテレビ東京の番組に出演した尾河眞樹氏は、「ロンドン銀行間取引金利のライボーでユ―ロ0.5%、ドル0.3%と金利差から資金がユ―ロに流れた」と解説した。「目先ユーロは強いが、欧州経済の後退で先はユ―ロ安の方向です」と答えていた。水は「高」から「低」へ流れる。お金は「低」から「高」へ動く。お金の融通がつきにくくなると高いコスト(金利)を払ってでも資金確保に動くから金利は上昇する。

26日のNYダウは、①ストレステストを終えた。②6月の米新規住宅販売が予想に反してよかった.③アジア、欧州株堅調を好感、前週末比100ドル高、10,525ドルで取引を終えた。目先、川の流れは落ち着いて見える。欧州銀行次第ではダム決壊もありそうだ。(了)

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