ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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人の「鏡」になるという言葉が死語になった(学校で教えてくれない経済学)

2010-07-04 13:05:02 | 経済学
「テナント代が払えず次々店を出ていく。客足が伸びないからだろう。」という話を、今朝、近くの喫茶店で、馴染み客のひとりのHさんが話していた。その店は、阪神「御影駅」前に一昨年暮れにオープンしたばかりのデパート兼スーパーのことである。

なぜ客が思うように集まらないのかについて、「上物客で稼ごうとする魂胆が目立ち過ぎる。金に困っているわしらみたいな人間もいることに店長は気づいていない。わしも色々言うが店長は聞く耳をもたない。」と声がだんだん大きくなっていった。

「店のもんも挨拶ひとつしない。おはようと一言でも言えば、雰囲気が変わるのに、挨拶をしないからますます客足が遠のく」と言っていた。挨拶ということでは自宅マンションでもおはようございますと声をかけてもにこりともしないで素通りしていく住人が増えた。

月刊誌「到知」の最新号で、曽野綾子さんとクライン孝子さんの対談が出ている。「平和すぎて日本人はバカになっている」と曽野綾子さんが話しておられた。「日本人が歴史を勉強しなくなった。日本と同じ敗戦国のドイツと日本がいかに違うか。」と憲法に始まり、ドイツと日本の違いをドイツ在住40年のクラインさんが具体的に例示して、概嘆しておられた。

曽野綾子さんは、「今の日本人は日本語が書けない。本も読まず,礼状一つ書けない。」とここでまた概嘆している。手紙に限らずいただきものをしたら礼状を認めるのは礼儀の基本である。全てが親の責任だと思うが、ありがとうの一言が言えないひとが日本で増えた。

日本人が歴史を勉強しなくなったと前置きして、一昨日、従兄の一人が、「偉人たちの脳」(茂木健一郎著、毎日新聞社)を送ってくれた。「いろいろなことがあって、それでもよかったと思えるような人生に対する厳しくも暖かい視線を育むためには、歴史と言う不思議な動物と向き合う必要があるのではないか」と茂木健一郎さんは書いておられる。

茂木健一郎さんは脳学者である。脳の話しだと思って読みだしたが、白州次郎からはじまってバラク・オバマまで20人について飽かせず読ませてくれるまぎれもなく歴史の本である。日ごろ疎遠にしている従兄であるが、早速、礼状を彼に送った次第である。

先日「学校で教えてくれない経済学」で「森が狙われている」と書いた。愛読者の一人のSさんから「中国人が水を狙っている。」と教えていただいた。先の「到知」でもクラインさんは「今、日本の山やリゾート地が次々と中国人に買われている。」と話していた。

古(いにしえ)のひとは歴史書を「鏡」と呼んだと茂木さんは先の本で書いておられる。「鏡」は身の周り至るところに存在している。「人の鏡になる」という言葉が死語になった。(了)

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