中国人民銀行が預金準備率を0.5%引き上げ、29日に実施すると発表したと20日付けのWSJ紙が伝えた。11月10日実施の0.5%引き上げたばかりである。19日付けのCNBC電子版では、中国政府がこのところの物価高騰の動きをいかに深刻に受け止めているかの表れだと書いていた。WSJ紙によれば、積立比率は、18%と見られている。
中国の10月の消費者物価は4.4%上昇した。特に食料品価格の急騰が影響した。7月以降穀物相場が急騰している。WSJ紙によれば、天候不順による世界的な穀物不足が背景にある。食料品価格の高騰は特に低所得層の家計を直撃する。1988年には消費者物価は18.8%上昇した。その時、反政府暴動が頻発したとCNBC電子版は書き、中国政府は食料品価格の高騰を引き金に民心が動揺することを怖れ始めたのではないかと指摘していた。
WSJ紙は、住宅価格がこのところの急騰しているが、金余りが背景にあると指摘している。国内は金余りだが。一方、輸出も増え続け、中国の外貨準備高は2兆6千億ドルを既に超えた。中国が預金、貸出金利を0.25%引き上げた結果、ゼロ金利同然の欧米先進国から金利差を生かして海外から資金流入が増えカネ余りを一層助長していると書いていた。
19日のNY株式市場は、中国人民銀行の預金準備率引き上げの報を受けて、安く始まった。後盛り返して、前日の173ドル高の余韻を残して、前日比22ドル高、11,203ドルで取引を終了したとブルームバーグが伝えていた。
ブルームバーグは、ガイトナー米財務長官との単独インタビューを流していた。米議会では、「バ―ナンキは政治的思惑が強すぎる」として、米FRBのバ―ナンキ批判が高まっているがとの質問に、ガイトナー氏は、「物価の安定と経済成長を実現することがFRBの基本である。FRBはインフレを抑えることに成功している。」と強弁していた。
NHK・BS「おはよう世界」に出られた三菱東京UFJ、勝藤史郎氏は「NYダウは、中国人民銀行の準備率引き上げで安寄りしたが、後盛り返した。素材、消費関連株が値上がりした。NY外国為替市場では、中国の金融引き締めでドルが買い戻され、1ドル=83.44~49円で取引された。この先、どちらかと言えば、ドルはじり高と考えている。」とドル高基調が当面続くとの見解を変えなかった。
状況は刻々変化するから、見方は臨機応変に変えざるを得ない。しかしスタンスがぶれないことが基本である。昨今の政治家の発言は,聞くに堪えない内容の物が多い。いやしくも公の場に出て発言することには常に責任を伴う。たかが為替見通しと言うなかれ。「ドルじり高続く」との見解を公言するには勇気がいる。その意味で勝藤史郎氏のスタンスを期待を込めて見守っている次第である。ドルには基軸通貨としての責任を全うして欲しい。(了)
中国の10月の消費者物価は4.4%上昇した。特に食料品価格の急騰が影響した。7月以降穀物相場が急騰している。WSJ紙によれば、天候不順による世界的な穀物不足が背景にある。食料品価格の高騰は特に低所得層の家計を直撃する。1988年には消費者物価は18.8%上昇した。その時、反政府暴動が頻発したとCNBC電子版は書き、中国政府は食料品価格の高騰を引き金に民心が動揺することを怖れ始めたのではないかと指摘していた。
WSJ紙は、住宅価格がこのところの急騰しているが、金余りが背景にあると指摘している。国内は金余りだが。一方、輸出も増え続け、中国の外貨準備高は2兆6千億ドルを既に超えた。中国が預金、貸出金利を0.25%引き上げた結果、ゼロ金利同然の欧米先進国から金利差を生かして海外から資金流入が増えカネ余りを一層助長していると書いていた。
19日のNY株式市場は、中国人民銀行の預金準備率引き上げの報を受けて、安く始まった。後盛り返して、前日の173ドル高の余韻を残して、前日比22ドル高、11,203ドルで取引を終了したとブルームバーグが伝えていた。
ブルームバーグは、ガイトナー米財務長官との単独インタビューを流していた。米議会では、「バ―ナンキは政治的思惑が強すぎる」として、米FRBのバ―ナンキ批判が高まっているがとの質問に、ガイトナー氏は、「物価の安定と経済成長を実現することがFRBの基本である。FRBはインフレを抑えることに成功している。」と強弁していた。
NHK・BS「おはよう世界」に出られた三菱東京UFJ、勝藤史郎氏は「NYダウは、中国人民銀行の準備率引き上げで安寄りしたが、後盛り返した。素材、消費関連株が値上がりした。NY外国為替市場では、中国の金融引き締めでドルが買い戻され、1ドル=83.44~49円で取引された。この先、どちらかと言えば、ドルはじり高と考えている。」とドル高基調が当面続くとの見解を変えなかった。
状況は刻々変化するから、見方は臨機応変に変えざるを得ない。しかしスタンスがぶれないことが基本である。昨今の政治家の発言は,聞くに堪えない内容の物が多い。いやしくも公の場に出て発言することには常に責任を伴う。たかが為替見通しと言うなかれ。「ドルじり高続く」との見解を公言するには勇気がいる。その意味で勝藤史郎氏のスタンスを期待を込めて見守っている次第である。ドルには基軸通貨としての責任を全うして欲しい。(了)