炉ばたの元祖:大関店内風
江嵜企画代表・Ken
友達のTさんが炉ばたの元祖ふれこみの「酒肆 大関」(050-5816-9794)という店に案内してくれた。神戸に生まれ育った人間だが、神戸にこう言う店があること自体知らなかった。
店に入りまず目に付いた光景が珍しかった。畳十畳じきほどの大きなテーブルに生魚、干物、魚介類、ナスビ、キュウリ、トマトなどの野菜などお皿に入れてずらりと並べてある。それだけで絵になるなと思った。
お店は午後4時オープン、JR三宮駅西改札で待ち合わせ、徒歩6~7分で店に着いた。平日だったので入った時は客足はまばらだったが仕事帰りの仲間や馴染客であろう、一人コーナーに陣取っておいしそうに炉ばた焼きを楽しんでいた。
いつもの調子で店内の様子をスケッチした。正面に座布団に座ったお姉さんがいる。客は食べたい物を注文する。やおら熊手のような棒の先にヘラのついたものが飛び出してくる。お皿の下にヘラを刺し込み巧みに取り上げ、お姉さんが皿から注文の品を取る。焼き網に乗せる。焼きあがると、お皿をヘラに乗せて、器用に差し出してくれる。
熊手の往復が店の売りだということがだんだん分かって来る。店がオープンしてかれこれ50年以上たっていると言うから知る人ぞ知る店なのだろう。
背中の壁の上段に丸ぼし、干カレイ、生カレイ、もろきゅう、トマト、シイタケ、冷ややっこ、げそ、アジ、カマス、サツマイモ、紅サケ、イカ、エビ、アナゴ、スダコ、貝柱などなど野菜、魚介類順不同で並んでいる。好学のために数えてみたら札が60あった。
値段の方は単品で260~500円である。気軽に次々注文すれば皿数が増える。高いと言えば高いと言えるだろう。しかし、元々はお酒の当てである。小腹がすけば代1000円で寿司を注文することも出来る。長居するつもりでなければ、3000円も出せばワイワイ言いながら結構楽しめるなと思った次第である。
いつの間にか8時前になっていた。振り返ったら背中の後ろにも大勢の客が入っていた。入りの悪さをぼやく経営者は結構多い。その前にいままで来ていた客がなぜ来なくなったのか反省するのが先だろう。
日本は平和である。昨日、元「教室」仲間の個展を訪れた。京都河原町界隈もひとひとひとでごったがえしていた。神戸もJR三宮駅ガ―ド下には居酒屋、一杯飲み屋が軒を並べている。若者で一杯だった。
ぶつぶつ不平不満をぶつけるだけでは、日本の景気は永遠に良くなるまい。(了)