笑福亭銀瓶落語会
江嵜企画代表・Ken
非公開の異人館を貸し切り、神戸北野異人館では初の試みとなる「落語会」が、キャサリンハウス(旧キャサリ―ン・アンダーセン邸)で開かれ、家族と楽しみにして出かけた。演題「宿題」を笑福亭鶴瓶の弟子、笑福亭銀瓶(43)が、前日、約1ケ月の韓国公演を終えて帰国されたばかりというが、旅の疲れをみじんも感じさせない熱演を、定員50名の会場を埋めた落語ファンを堪能させた。
前座を務めた桂吉之丞(29)が、年齢を感じさせない老練な話術で会場を沸かせた。寄席のあとのパーティーで、落語家になった動機を尋ねた。18の時に桂米朝の弟子の桂吉朝の話を始めて聞いた時に痛く感銘を受け、弟子入りを認められたのが始まりと話してくれた。素人の直観だが、ひとつひとつの芸をおろそかにやらない。万事丁寧だ。うどんひとつすするしぐさひとつとっても実にうまい。教えられて、努力して、努力して、口写ししても、こうは出きるものではない。吉之丞さんの天性を感じた。
会場の様子をいつものようにスケッチして、最後に銀瓶さんが演台に座ったところを描き込んでいつものように仕上げるつもりだった。ところが、「メモをとるのをやめてくれませんか」、と来た。文珍さんの時もスケッチOKだった。これが甘かったらしい。とっさに「メモではない。スケッチです。これをネットに流して広く知ってもらいたい。ただ、(ユ―チュ―ブに流した)誰かさんのような問題を起こすつもりはない」と答えたら、会場は大爆笑となるハプニングがあった。
笑福亭銀瓶さんは、67年神戸生まれ。05年から韓国語落語を始めた。08年第三回繁盛亭奨励賞、09年同大賞、今年、文化庁文化交流使に選ばれ先の韓国公演と運びとなった。韓国語でサンプルを実演してくれた。「韓国でも大変な人気ですよ」と先の吉之丞さんが教えてくれた。
MBSラジオ「こんにちわこんちゃんお昼ですよ!金曜日(12:30~16:00)に出演中と解説書にあった。
話が実にうまい。「メモなどとるな!!落語を聞きに来たのだろう。それならわしの話に集中しろ。真面目に聞け。」と彼に思われて当然なミスを筆者は犯した。大いに反省した次第である。(了)