ミュージカル「キャッツ」を原書で読む会
江嵜企画代表・Ken
堀江珠喜先生から芦屋で「ミュージカㇽ『キャッツ』の原作を英語で読む会」を19日から22,25,27,29の5日シリーズで開く。いかがですかと7月はじめに案内いただき、楽しみにして出かけた。「キャッツ」はロングランを続けている話題のミュージカルである。
原書講読という言葉にピクリと来た。講師は異色の大学教授の堀江珠喜先生。興味津々で申し込んだ。テキストはイギリスの詩人、T.S.エリオットが子供向けに書いた「Old Possum’s Book of Practical Cats(ポッサムおじさんの猫とつき合う法」である。
「原作を声を出して読むことによって、英語詩の押韻や言葉の響き、リズムの美しさを味わいましょう。夏休み中の高校・大学生にもおすすめ」と手紙に同封された案内のパンフにあった。
会場は「芦屋市谷崎潤一郎記念館」である。最寄り駅、阪神芦屋からタクシーでワンメーターの距離にあり、開始20分前に着いた。堀江先生を正面に会場の様子をいつものようにスケッチした。
会場で購入した原書のタイトルは「Cats」ではなく「Practical Cats」だった。Practicalは①実地の、②実用的な、③経験豊富ななどを意味する。改めて納得した。ミュージカル「キャッツ」に出てくる猫は、ただの猫でない。個性あふれる実務にたけた経験豊富な猫たち
の物語だからである。
ミュージカル「キャッツ」は1981年ロンドンで初演され世界的にロングランを続けている。日本では1983年に「劇団四季」により初公演され、現在大阪公演中である。
授業は、原文をまずテープで聞く。聞いた後、堀江先生が一行づつ読む。生徒がそれに習って読む。この日は4ページ進んだ。英語の詩は韻を踏んでいる。リズミカルに響く。いきなり原本を渡されたので正直厳しかった。
第二章に「The Old Gumbie Cat」という猫が登場する。ゴキブリやラットの世話までする働き者のおばさん猫である。彼女は昼間はべったりと動かない。当の猫が一か所にねそべったままうごかない、sit,sit,sit,and sitと書いた。ガムのようにくっいて離れないところからGumbieと名付けられたと堀江さん。
Irregular Dietという文字が出て来た。Dietは食事療法を意味するダイエットだと誤解する。本来Dietは、単に食事、常食を意味する。不規則な食事だからirregularDietと堀江さん。
{as mad as a hattar}という言葉が出て来た。「頭にくる」「狂った」を意味する。hattarは帽子屋。だから頭に来ると。同じ意味で「as mad as March hare」と言う。ウサギは3月に発情するところから来た。「不思議の国のアリス」に出てくる同文はエリオットの「キャッツ」の詩がオリジナルですと堀江さん。一言いれて次の行に。そんな具合で一日終わった。
堀江先生はクマのプーさんの読書会も開いておられるそうだ。クマのプーさんでは習近平さんが最近、話題になった。「習さんが、プーさんに似ていると言われればむしろ名誉なことです。」と堀江さん。
筆者が「習近平さんが本当に怒っておられるかどうかわかりません。取り巻きが騒いでいるだけかもしれませんよ」とちゃちゃをいれた。気軽に先生と生徒が言葉をかわせる機会を経験した。残り4回の授業が楽しみでならない。(了)