干支のイノシシ第3号
江嵜企画代表・Ken
来年2月に6歳になる男の子の孫に今週末会うときに渡す予定の干支のイノシシを日本画家、猪熊佳子先生の同じ手本を見ながら第3号目の色紙を描いた。母親のイノシシが第1号の絵と微妙に違う。どこが違うか。まず気づくのは母親の身体の色が濃くなった。さらに体全体がふっくらとして逞しく見えるから面白い。
お手本も同じ。描き手も同じ。贈り先だけが違う。すると、出来上がりの絵が違って見える。贈る相手が違うことで描き手の意識が微妙に変わるのだろうか。第1号の色紙は、年が明ければ鍼灸の先生の待合室に飾っていただく予定である。
今年の干支はワンちゃんだった。月2回の治療日に色紙のワンちゃんと目を合わし、「おい、元気だったかい」と思はず声を掛けたくなるから不思議である。余談ながら第2号の土鈴のイノシシの色紙は、今年も1年お世話になったさる歯医者さんの玄関先に置いていただく予定である。
当欄でもご紹介したことがあるが、さる愛読者の奥様はここ数年認知症の状態にある。メールで受け取った色紙の絵をプリントアウトしてご主人が施設に持参、奥様に見せる。見るなり「目が可愛いい」と話した。次に「赤がきれい」と言いましたと、ご帰宅後クイックレスポンスでメールが届いた。
メールには、奥様は、2枚の色紙のコピーを左右別々の手に持ったまま、終始、笑顔で、30分ほどの間、奥様と話が出来たと書き添えられていた。絵を介してご主人と奥様との対話が実現する。よき師匠に恵まれたことに尽きるが、日本画を勉強していて本当によかったとしみじみ思う。
今一つ、さるご婦人の愛読者から、今朝一番で、「来年が年女の長女に昨年1月に男子が生まれた。かわいい仲良しの干支のイノシシの姿を思わず重ねて見てしまいました」との嬉しい便りが届いた。
描き手として、お送りした作品にResponseをいただけることでどれだけ励みになるか計り知れない。いつまで描き続けられるかわからないが、命をいただける限りスケッチ&コメントを送りたいとの思いを新たにした次第である。(了)