「学校で教えてくれない経済学」の1月23日付の記事に愛読者のおひとりのSさんから嬉しいことに以下のようなメールが届いた。Sさんとはドキュメンタリー映画「調査屋マオさんの恋文」で昨年暮れにグランプリを受賞された映画の主人公、作家、佐藤眞生さんである。
「話し方にはリポート・トーク型(話し手本位)とラポート・トーク型(相手本位)がある。日本人はラポート型がだめです。今回の映画撮影会に呼ばれて話をする機会がしばしばある。撮影会の際、観客席に座っている。観客の中にいると、観客が何に興味を持ち、何を自分に聞きたがっているかがよくわかる。ところが司会者はひたすら話を自分に振ってくる。観客が何を知りたがっているかについてお答えするのが本義だといつも司会者に話している。」と書いておられた。
ヤフーのブログのお世話になる。「ラポートトーク(Raport-talk)のRaportは「フランス語で橋を架ける」という意味がある。相手との信頼関係を構築するトーク方法だ。相手の心に橋が架かり親密さや共感が生まれる。ラポートトークでは相手の情感や感情に働きかける話し方をしてゆく。特に女性にラポートトークする傾向がある。心理的なつながりを重視した話し方だ。
一方、リポートトーク(Report-talk)は情報のみを淡々と語る話し方だ。相手と共感がないから相手に一線を引かれたままなので先の会話に進みにくい。しかし、共感だけで話を進めるだけでは営業は成り立たない。営業の目的は最終的に契約だからだ。
ラポートトークの合間に上手にリポートトークを交えることで自社の製品やサービスの良さを伝えて行く。2つの方法を使い分けることによって効果的なトークが出来る。」と出ていた。
話は飛ぶ。筆者の又従兄は慶応大の落語研究会に所属していた。かれこれ60年前の新入社員時代に聞いた話だが「高座に座るとまず会場の中から一人を選ぶ。その人物にひたすら語りかける。彼か彼女かがしばらくすると自分に話しかけていることに気づく。うなづき始める。こうなればしめたものだ。ちようど池に石を投げた時に波紋が徐々に池全体に広がるように会場全体が自分の落語に耳を傾けてくれるようになった。」というエピソードを紹介してくれた。
かれこれ70年前の輪をかけた古い話だが、母校中学1年のとき、ESSスピーチコンテストに出る機会があった。イソップ物語を題材に話をした。狐さんとウサギさんと二匹が話すとき、狐さんが話すときは左に飛んで、右を向き、ウサギさんと話す。ウサギさんの時は、右に飛んで狐さんを前にして話した。それが審査員に大いに受けたらしく5人の入賞者の仲間に入れてもらった面はゆい経験がある。
一方向から話していると伝えたい話も相手に伝わりにくい。日本人がプレゼンが苦手なのは国民性からきている面は否めない。しかし、子供のころからどういう経験をしたかにもよるが、プレゼンが苦手だというだけでは一歩も前に進まない。日本人が外交下手だとぼやいているあいだはいい。日本が何も発信しないと気が付けば外国に飲み込まれていたというのでは話にならない。(了)
「話し方にはリポート・トーク型(話し手本位)とラポート・トーク型(相手本位)がある。日本人はラポート型がだめです。今回の映画撮影会に呼ばれて話をする機会がしばしばある。撮影会の際、観客席に座っている。観客の中にいると、観客が何に興味を持ち、何を自分に聞きたがっているかがよくわかる。ところが司会者はひたすら話を自分に振ってくる。観客が何を知りたがっているかについてお答えするのが本義だといつも司会者に話している。」と書いておられた。
ヤフーのブログのお世話になる。「ラポートトーク(Raport-talk)のRaportは「フランス語で橋を架ける」という意味がある。相手との信頼関係を構築するトーク方法だ。相手の心に橋が架かり親密さや共感が生まれる。ラポートトークでは相手の情感や感情に働きかける話し方をしてゆく。特に女性にラポートトークする傾向がある。心理的なつながりを重視した話し方だ。
一方、リポートトーク(Report-talk)は情報のみを淡々と語る話し方だ。相手と共感がないから相手に一線を引かれたままなので先の会話に進みにくい。しかし、共感だけで話を進めるだけでは営業は成り立たない。営業の目的は最終的に契約だからだ。
ラポートトークの合間に上手にリポートトークを交えることで自社の製品やサービスの良さを伝えて行く。2つの方法を使い分けることによって効果的なトークが出来る。」と出ていた。
話は飛ぶ。筆者の又従兄は慶応大の落語研究会に所属していた。かれこれ60年前の新入社員時代に聞いた話だが「高座に座るとまず会場の中から一人を選ぶ。その人物にひたすら語りかける。彼か彼女かがしばらくすると自分に話しかけていることに気づく。うなづき始める。こうなればしめたものだ。ちようど池に石を投げた時に波紋が徐々に池全体に広がるように会場全体が自分の落語に耳を傾けてくれるようになった。」というエピソードを紹介してくれた。
かれこれ70年前の輪をかけた古い話だが、母校中学1年のとき、ESSスピーチコンテストに出る機会があった。イソップ物語を題材に話をした。狐さんとウサギさんと二匹が話すとき、狐さんが話すときは左に飛んで、右を向き、ウサギさんと話す。ウサギさんの時は、右に飛んで狐さんを前にして話した。それが審査員に大いに受けたらしく5人の入賞者の仲間に入れてもらった面はゆい経験がある。
一方向から話していると伝えたい話も相手に伝わりにくい。日本人がプレゼンが苦手なのは国民性からきている面は否めない。しかし、子供のころからどういう経験をしたかにもよるが、プレゼンが苦手だというだけでは一歩も前に進まない。日本人が外交下手だとぼやいているあいだはいい。日本が何も発信しないと気が付けば外国に飲み込まれていたというのでは話にならない。(了)