ガーベラ
こちら神戸もぽかぽか陽気の日が続いている。30日(木)昼過ぎに例の更地に出かけた。元気に二輪咲いたガーベラをスケッチした。チューリップと次は私と順番待ちでつぼみをつけはじめたフリージアを入れて仕上げた。ガーベラの花言葉は「希望」、「常に前進」、「前向き」とヤフーのブログにあり、大いに納得した。
今年の神戸市高齢者美術作品展の画題を年初から模索していた。猪熊佳子先生が用意された枝垂れ桜の色紙をモデルに3月17日の教室で挑戦したが出来ぶりが腑に落ちない。ガーベラをスケッチした帰り阪神御影でバスに乗り3日続けてとなる深田池まで足を運びスケッチした。
「深田池行は次のバスですね」とバス待ちのさるご婦人にたまたま声をかけた。「神戸国際大学で先ほどワンコイン弁当作りの集まりに出かけて今帰りです。次のバスです」とおっしゃる。
「いつもは徒歩。バスで深田池ははじめてです」と先日深田池で描いた枝垂れ桜のスケッチを見せたところ「花を見るのが大好きです」から始まり深田池まで15分たらずだったが話しは結構弾んだ。
「今年81歳になる。80のときに自分の歯が20本残っていることで神戸市6人の一人に選ばれた。健康だけは自信があります。」の言葉に「素晴らしい。」と応じたところ「男の方に褒められたのははじめて。男に生まれたかった。」とおっしゃる。「忘れ物して出てこられたんですね。」と言うと「綺麗な言葉ですね」とご婦人は目をパチクリ。そして突然「これからの日本はもうだめです。誇りをなくしました」と続けた。
京都生まれで24歳の時に嫁いだ。薬品会社で仕事をした。お嬢さんが2人おられる。仕事に追いまくられた生活をみているとつらい。自分は母親が学校の先生で厳しく育てられた。「どうしても先生口調になり嫌がられる。女は、台所仕事だけして、はい、はい、そうです、と言うほうが好かれれるんです」と。ラジオ深夜便よろしく聞き役に徹した。話し足りなかったのだろう「またお目にかかれればいいですね」の言葉を聞いたところでバスを降りた。
深田池は阪急御影駅傍にある。近隣ではちょっとした桜の名所である。花見客もいたが、釣りを楽しむ老人の姿も多かった。自宅マンションまで帰りは下り。途中、桜満開の弓弦羽神社の境内を抜けて香雪美術館前を通り帰路に就いた。(了)